<東京マラソン会見>大迫「いつもと同じ」、設楽「自然に走る」、井上「越えられる」

日本陸上競技連盟
チーム・協会

【JAAF】

3月1日に開催される東京マラソン2020の事前記者会見が、大会前々日となる2月28日、東京都内のホテルにおいて行われました。
今年で14回目の開催となり、「アボット・ワールドマラソンメジャーズシリーズXIII(13)」の1戦でもあるこの大会は、世界でも有数のマラソンとして人気を博していますが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2月17日の段階で一般参加者の部の中止を決定。今回は、エリートの部と、車いすエリートの部のみが実施されることとなりました。

男子エリートの部は、日本勢にとっては2017年夏から始まった東京オリンピックのマラソン代表選考の最終段階となる「MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)ファイナルチャレンジ」の第2戦として位置づけられているレース。世界歴代上位の自己記録を持つトップランナーによるレベルの高いスピードレースが期待されるとともに、残り1枠となっているオリンピック日本代表の座を巡って、2時間05分49秒という、現日本記録を1秒上回るMGCファイナルチャレンジ設定記録を突破しての最上位奪取に挑む戦いにも大きな注目が集まります。

ここでは、男女エリートの部の会見の模様、日本人有力選手のコメント等をレポートします。

【JAAF】

ハイレベルを期す男女海外勢 女子は2時間18分台、男子も2時間2分台が目標タイムに!

最初に行われた女子の会見には、ルティ・アガ選手(エチオピア)、ベルハネ・ディババ選手(エチオピア)、バレリー・アイヤベイ選手(ケニア)、ロナー・チェムタイ・サルピーター選手(イスラエル)と、自己記録で“トップ4”となる4選手が登壇しました。
前回、悪天候下のレースのなか、2時間20分40秒で優勝しているアガ選手は、「よい準備をしてきた。昨年は雨が降って気象状況が厳しかったけれど、今年は天気もよいと思うので、さらにいい結果が出せるだろうと期待している」として、目標タイムに自己記録を1秒上回る2時間18分33秒を示すと、2015年と2018年のこの大会で優勝経験を持つディババ選手は、「東京は何度も来たことがある。優勝が2回、2位も2回(の結果を残していて)、だから大好きなコース」とコメントし、目標タイムには「やってきたトレーニングから考えて、これくらいになると考えた」と、昨年のバレンシアマラソンでマークした2時間18分46秒の自己記録を上回る2時間18分30秒を掲げました。また、2時間19分10秒が自己記録のアイヤベイ選手は「1週間前にちょっとしたケガがあったが回復している」としながらも、「ここ3〜4カ月、いいトレーニングができてきた。私の東京の思い出になるような結果にしたい」として2時間19分30秒の目標タイムを、すでに東京オリンピックの出場権を持っていて、「オリンピックのリハーサルのようなもの」とコメントしたサルピーター選手は、「完璧なトレーニングができた。メジャー(ワールドマラソンメジャーズのレース)は初めてなので本当にワクワクしている」と述べて目標にタイムに2時間18分50秒を、それぞれ提示。4選手がともに、コースレコード(2時間19分47秒、2017年)の更新を視野に入れて臨もうとしていることが明かされました。

続いて行われた男子の会見には、まず、前回チャンピオンでのビルハヌ・レゲセ選手(2時間02分48秒)に加えて、ゲタネ・モラ選手(2時間03分34秒)、シサイ・レマ選手(2時間03分36秒)と、世界歴代3位・9位・10位となる自己記録を2019年にマークしているエチオピアの3選手が登場。女子と同様に、東京マラソンレースディレクターの早野忠昭氏がさまざまな情報を補足しつつ、司会者が投げかける質問に、選手たちがコメントしていくトークショー形式で行われました。

早野レースディレクターが、「今後のテクニカルミーティングや当日の状況によって変更の可能性はある」と前置きしながらも、男子については2パターンのペースメーカーの配置を予定し、「第1ペースメーカーは、1km2分55〜56秒で、フィニッシュタイムは2時間03分00秒(を想定)。ネガティブスプリットになった場合、2時間3分を破っていくペースを考えている。また、第2グループは、日本人選手が中心になっていくと思うが、今のところ、(1kmあたり)2分58秒くらいのところを考えている」と述べるなか、レゲセ選手は2時間30分30秒、モラ選手は2時間03分50秒、レマ選手は2時間02分00秒と、それぞれに目標タイムを披露。

「今年もいい準備をしっかりしてきたので優勝することができると思う。コンディションを比べると、調子がいいのは去年より今年」(レゲセ選手)、「マラソンは(初マラソン世界最高記録でもある2時間03分34秒をマークしたドバイに続き)2回目。脚に故障がちょっとあったので、ドバイほどではないが、故障はすでに治っていてトレーニングは積めている。故障明けであることを考慮しつつもコースレコードを意識した目標タイムを書いた」(モラ選手)、「(自己記録を出した)ベルリンでは、優勝と、あわよくば世界記録も狙っていたが、33km付近で足をひねるミスがあった。今回は、昨年よりも気象条件がいい(と見込まれている)し、いいタイムを持っている選手も集まっている。オリンピックで結果を出すためにも、東京(マラソン)で記録を書き換えて帰国したい」(レマ選手)と、それぞれに、日本国内でマークされたマラソンでは歴代最高でもあるコースレコード(2時間03分58秒、2017年)の更新に向けて、意欲を見せていました。

【JAAF】

いつもと同じ。「なるべく速く走る」ことに集中(大迫) 、あまり深く考えずに、自然に走る(設楽)、 今の力をしっかり発揮すれば越えられるタイム(井上)

国内招待選手として会見に臨んだのは、日本勢で“トップ3”の自己記録を持つ大迫傑(Nike)、設楽悠太(Honda)、井上大仁(MHPS)の3選手。男子海外招待選手に加わる形でステージに登場すると、まず、海外招待選手が掲げた目標タイムが、速い選手で2時間02分00秒という記録が示されていた点への感想を求められ、「特にない。自分のペースでしっかり走ればいいと思っているので、速ければ速いで見送るし、ペースがよければついていくという感じでいる」(大迫選手)、「まずは、自分のレースができればいいと思っている。海外選手にくらいつけるようなレースがしたい」(設楽選手)、「せっかくの場なのでしっかり対峙していって、攻めていきたい」(井上選手)と、それぞれにコメントしたところから、会見がスタートしました。

その後、各選手には「○」「△」「×」の札が配られ、
Q1:このタイムに向けて積んできた練習に自信がある、
Q2:9月のMGCで内定を決められなかったのは正直悔しい、
Q3:MGCファイナルチャレンジ設定記録の2時間05分49秒を越えることはできる、
という3つの問いに対して、まず該当する札を掲げてもらったうえで、具体的な内容を聞いていくという形で進行(ちなみに、Q1、Q2、Q3の順に、大迫選手は○○○、設楽選手は△△△、井上選手は○△○と回答しました)。続いて、当日のレースプランに関して質問が投げかけられたのちに、最後に、海外招待選手と同じく目標タイムをボードに記載するという展開となりました。

また、この大会では、例年、公式記者会見のあとに、有力選手を対象にした囲み取材が行われますが、今回は、ウイルス感染予防の観点からステージ上での質疑応答形式へと変更に。このパートには、会見に出席した大迫選手、設楽選手、井上選手のほか、囲み取材への参加が予定されていた山本憲二(マツダ)、村山謙太(旭化成)、佐藤悠基(日清食品グループ)、園田隼(黒崎播磨)、神野大地(セルソース)、堀尾謙介(トヨタ自動車)、河合代二(トーエネック)、大六野秀畝(旭化成)、小椋裕介(ヤクルト)の9選手も出席し、これまでの状況、レースへの思い、当日の展望などについて、メディアからの質問に応じました。

記者会見および、会見後の質疑応答における日本選手のコメントは、以下にまとめる形でご紹介します。


【日本選手コメント】
※全12選手ともに要旨を記載。大迫選手、設楽選手、井上選手については、会見時のコメントをメインとし、質疑応答のパートでこれを補足する発言があった場合は、その情報を加える形でまとめた。

【JAAF】

【JAAF】

◎大迫 傑(Nike)
この大会に向けては、2カ月半ほどケニアでトレーニングを行い、1週間ほど前に帰国した。ケニアでも、やることは変わらないのだが、より練習パートナーがいたり、より標高が高い(環境だったりするなかで)なかで、今まで通りにいい練習を積むことができた。また、ケニア人選手が練習パートナーであっても、「ここまで彼ら以上に走れるんだ、彼ら以上に走り込んで、彼ら以上に質の高い練習ができるんだ」と非常に自信になった部分は、今回行ってよかったことの1つかなと思う。(ケニア行きは、これまでにない取り組みであったが)自分を動かす力の1つとなったのはMGC3位という順位だった。(遡ってみれば)アメリカに移住するきっかけになったのがロンドン五輪での敗北だった。そういう(姿勢は)変わらない自分であることも自信になっている。
(MGC3位という結果は)2番で決まっていればオリンピック代表に内定していたという意味では、逆に悔しくないというのがウソであって、その悔しさがあって次に進めているという面がある。非常にいい経験になったというか、今のエネルギーになっているというか。僕自身は、その悔しさをプラスに捉えられているかなと思う。
(2時間05分49秒の設定記録クリアなるかについては)設定云々というより、(そもそも基準となった2時間05分50秒は)僕自身の記録。もちろん気象条件やペースにもよるが、練習の感じから見ても不可能ではない。最近の陸上界の流れや雰囲気からして、僕自身も緊張感をもってやっているが、誰が来てもおかしくない状況ではあると思う。
(自分の記録を上回ることを目指して、みんなが走ることになる点を、どう感じるかとの問いに)いつもの大会と同じように、「なるべく誰よりも速く走る」ということにしか集中していないので、自分のタイムが設定タイム(の基準である)ということについては、あまり考えていない。
(想定するレースプランについては)当日の気象条件やその場の雰囲気が大事になってくるので、なんともいえないというところである。
(目標タイムを、2時間??分??秒と記載した理由は)いつも言っていることは同じで、(マラソンは)自分自身の戦い。当日の気象条件とかレースとかによっても違うが、ただ単に1つ言いたいのは、「なるべくトップ争いに絡むような努力をしていくこと」。それを目標に頑張っていきたいなという思いから、(目標タイムは)「?」とした。

◎設楽悠太(Honda)
ニューイヤー駅伝(1月1日に行われた全日本実業団駅伝)が終わってから、練習は順調に積めていたのだが、このマラソン前に何本か試合に出たなかで、大学生に負けたり実業団選手に負けたりしてしまったので、そこがまだまだ自分の弱いところだなと感じている。(実戦をこなしながらマラソンに臨むというアプローチのスタイルは、この大会で日本記録を出した)2年前と同じマラソンの調整プランと変わっていない。2年前に比べると、タイムから見たら、今回のほうが(状態は)いいが、それは実際に走ってみないとわからないこと。それでも自信を持ってスタートラインには立ちたいと思っている。(現状のコンディションとしては)練習も順調にできているので悪くはない。
(昨年のMGC14位の結果は)悔しさ半分、やりきった半分という感じだったので、「もっともっとこうすればよかった」というのはなかった。ただ、MGCまでの練習期間は、後輩たちも練習パートナーになってくれたり、他チームの合宿に参加させてもらったり、Hondaのチームスタッフが自分の意見を尊重して、いろいろやってくれたので、本当に感謝しかなく、それでも結果に応えられなかったということは悔しかったが、今回も練習の流れは変えずにやってきた。明後日の東京マラソンで、そのMGCの悔しさをぶつけられればいいなと思っている。
(2時間05分49秒の設定記録クリアなるかについては)自分は特にあまりレースプランやタイムを決めて走るタイプではない。自然に走って、走れれば記録もついてくると思っている。2年前のこの会見も(目標記録を)2時間9分と書いてちょっとざわついたが、今回も、そんなにあまり深く考えずに、自然に走ることを考えていきたいと思っている。
(想定するレースプランについて)今の段階で決めていることは特に何もない。まだ(レース当日まで)2日もあるし、日によって体調も変わってくる。(ウォーミング)アップが終わってから、「どうしようかな」と考えたい。
(目標タイムを2時間06分10秒と記載した理由は)自分にとっては、一番難しい質問。あまりタイムを意識しないで走るタイプなので今回はこう書いたが、最低でもこのタイムを越えられるように走りたい。

◎井上大仁(MHPS)
この大会に向けては、例年通りの走り込みをニュージーランドでやってきた。期間はだいたい3週間程度。今回は順調に練習が積めて、感触としてはいい。直近の状態としては悪くはないという感じ。順調に来ていると思う。
(昨年のMGC27位の結果は)オリンピックがどうこうというより、その前にやることがいろいろあるな、という感じ。自分の弱さがすべて出た結果かなと思っている。そこから立ち直ることができたのは、周りの人がすごく心配してくれたこと。いつも、どんな結果でも、応援してくれるのだが、このときはすごく心配してもらって、「同じ思いはさせたくないな」という思いから「また頑張ろう」という気持ちになった。これからもいろいろな試合に出て、どんな結果になっていくかはわからないが走り続けていくことに変わりはないので、「前を向いて走ろう」と思い、この東京マラソンまで頑張ってきた。
(2時間05分49秒の設定記録クリアなるかについては)タイムに関してはガチガチに狙っているわけではないが、世界と戦っているうえでは必要になってくると思うし、今の力をしっかり発揮すれば越えられるタイムではあると思っている。(目標記録として掲げた)2時間04分30秒は、そのへんを目標にやってきたし、世界と戦う基準として頭に入れておくべきタイム。海外の招待選手のタイムからしたらまだ劣っている部分はあるが、自分が力を出しきれるという状況であれば、最後まで走りきれたらいいなと思う。
(想定するレースプランやペースについては)いろいろなことが決まったり、(ペースメーカーの設定タイムなど)指示とかが出たりはしていると思うが、自分は自分のやることをしっかりやるべきと思っている。周りのことはあまり考えずに、残りの日数を過ごしていきたい。

◎山本憲二(マツダ)
このレースに向けて、自分のやるべきことはすべてやってきた。当日に向けて、自信を持ってスタートラインに立てると考えている。レースプランとしては、第2(ペースメーカーの)集団で走りたいと、今は計画している。(16位だった)MGCでは、自分の持てる力をすべて出しきった試合だったので悔いというものはない。ただ、実力不足というところでは、いろいろと気づいた部分が多くあったので、今回は、それに関して修正して、挑んでいければと思っている。また、会社や地元の方にいつも本当に応援してもらっているので、そういう方々にも走りで恩返しをしたい。

◎村山謙太(旭化成)
今回は、第1グループ(のペースメーカー)が2時間3分台というペースになると聞いているが、自分は正直、今の段階的には2時間3分で走れる状態ではないと思っているので、自分が力を出しきれるグループ、または集団、流れに乗っていき、その先に自分が目指している記録へとつながっていければなと思っている。
僕は、昨年4月のハンブルグマラソンで条件を満たすことができず、MGCは観戦という形になった。その後からここまで「残りの1枠をどう取りにいくか」ということをだけを考えて練習してきた。東京マラソンまでの練習の流れは、いい形で積めてきた。(2月9日の)全日本実業団のハーフマラソン(1時間01分26秒・19位)でもう少しいい走りがしたかったというのはあるが、あれはあくまでも練習。それを考えたうえで、日本記録は十分狙えるような流れで来ているので、そこをターゲットに頑張っていきたい。

◎佐藤悠基(日清食品グループ)
昨年のMGC(23位)を終えて、単純に自分の力不足を痛感した。あとは(MGC)ファイナルチャレンジということで、チャレンジする権利があって、ここをチャレンジしないわけにはいかないと、自分のやれることはここまでしっかりやってきたつもりでいる。明後日のプランは、残り2日間あるので、そのときの体調を見極めて、(レースの)流れ等々を見て、当日、走りながら臨機応変に対応できたらいいなと思っているし、そういったなかで、しっかり自分の力を100%出しきれるようにしたい。
自分の今までのモチベーションは変わらず、少しでも「速くなりたい、強くなりたい」という気持ちが常にある。その気持ちが強くあり続ける限りは、しっかりチャレンジしていきたい。こういう世の中が大変ななか、チャレンジする場を与えていただけていることに感謝しながら、明後日のレースを走りたい。

◎園田 隼(黒崎播磨)
このところ自分の力を最近発揮できないことが多かったので、今回は、MGCファイナルチャレンジとしての挑戦というよりは、(自分の状態を)万全にし、自分の全力を尽くすことによって、ベスト(記録)というよりは順位を狙っていくつもりでいる。そして、そのことによって、タイムがついてくるのではないかと思っている。自分のアピールポイントを挙げるなら、「前半しっかり食らいつき、後半どれだけ粘っていくか」ということ。そういう勝負をしていきたい。

◎神野大地(セルソース)
MGC(17位)が終わって、ある意味、自分の力について、現実を見るときかなと思っている。なので、今回は、2時間05分50秒というタイム(を上回ること)が、どれだけ大変であるかはわかっているので、そこを狙うというよりは、これまでやってきた自分の成果を、結果として出したいなと思っている。
今回は、(ペースメーカーとして設定される予定の)第1グループ、第2グループにはついていかず、自分のレースをしたいと考えている。前にいた選手は確実に落ちてくるはず。30km以降でコツコツと選手を抜いていきたいと思っているので、(当日は)30km以降の走りに注目してもらいたい。

◎堀尾謙介(トヨタ自動車)
個人的には、次の(2024年パリ)オリンピックを目指したいという気持ちを強く持っているので、今回の大会は、その1つの段階として、まずは自己ベストが目標。まだ2時間10分台の記録(2時間10分21秒;2019年東京マラソンで日本人トップの5位)しか持っていないので、2時間8分台か7分台の記録を目指して走りたいなと思っている。自分はまだ23(歳)で、まだまだ(今後の)キャリアは長い。(今大会は)そのマラソンキャリアの1つとなるようにしたい。レースは、去年と同様に、30km過ぎまでペースメーカーの後ろで力を温存して、30km過ぎてからどれだけ1人で行けるかになる。そこで行けるところが自分の走りの真骨頂だとも思っているので、その点を見ていただきたい。

◎河合代二(トーエネック)
MGC前もそうだったが、(13位だった)MGCが終わったあとも、練習の質や量を一段階アップさせて、ベースの部分を高めてきた。MGCファイナルチャレンジに出場する機会をいただけたので、しっかりとチャレンジして走りたい。マラソンでも、トラックでも、ロードレースでも、最初から思いきって走るところが、自分のアピールポイントだと思っている。

◎大六野秀畝(旭化成)
マラソンに関しては、ほとんど経験がないといえるくらいなので、自分のマラソンのアピールポイントは何々であると、言うこともできない状態ではあるが、このMGCファイナルチャレンジを、しっかりチャレンジしたいと思っている。ここまでの取り組みとしては、距離走だけでなく、スピード持久力的なものを落とさないでハイペースについていけるような対策をしてきた。しっかりチャレンジしていきたい。

◎小椋裕介(ヤクルト)
まだマラソンの実績がほぼないに等しい状況だが、昨年のハンブルグマラソンからずっと、自分を変える取り組みをここまで続けてきた。MGCファイナルチャレンジではあるが、今回は、自分のなかでマラソン選手としての一つの花を咲かせるタイムを狙いにいきたいと思っている。自分のなかでは(2時間)8分台が目標。ただ、(1時間00分00秒の日本新記録を樹立した2月2日の)丸亀(ハーフマラソン)のときのように、「気づいたらタイムが出てしまった」というような結果になっても、僕はそれを受け止めて走りたいと思っている。
自分は、精神的な面であまり緊張するたちではない。今回は、いろいろな状況が重なって、こういう大会になっているが、気負うことなく走れると思っている。


レースは、3月1日、午前9時10分に男子エリートの部がスタート。東京都庁前を出発点とし、飯田橋、神田、日本橋を経由して浅草雷門で折り返したのちに、両国、門前仲町、銀座、高輪、日比谷というルートを辿り、東京駅前の御幸通りでフィニッシュする42.195kmのコースで行われます。MGCファイナルチャレンジとして行われる男子エリートの部についての展望は、https://www.jaaf.or.jp/news/article/13572/?competition=1387 をご参照ください。

なお、今回のレースに際して、日本陸連は2月28日、感染症拡大予防と観戦者の健康被害などを考慮して、今大会については沿道における応援を自粛するよう、協力をお願いする声明を発表しました(https://www.jaaf.or.jp/news/article/13576/ )。レースの模様は、テレビ、インターネット、ラジオによる中継が予定されています。これらを利用しての応援に、ご協力くださいますようお願い申し上げます。

中継番組に関する情報やオンエア予定時刻等は、https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1387/ をご参照ください。また、当日は、トップランナーの通過順位とタイムを、公式サイト内の「リーダーボード」(http://leaderboard.marathon.tokyo/ ※3月1日午前0時00分より公開)において、リアルタイムで把握することも可能です。どうぞ、ご活用ください。



文・写真:児玉育美(JAAFメディアチーム)
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