“リニューアル菅野”の武器は縦の変化!? 新フォームで復活&進化&金メダル目指す

ベースボール・タイムズ

「腕から動く」投球フォーム

新投球フォームで菅野が復活を目指す 【写真は共同】

 菅野智之が、変わった。2日2 日、春季キャンプ初のブルペン入りで、1球1球、確かめながらの計32球。最速146キロのストレートに、スライダー、カットボール、カーブの変化球も交えると、満足気に汗を拭った。

「良かったです。真っ直ぐもある程度コーナーに制球されていましたし、ボール自体も力強かったように感じた」

 変わったのは投球フォーム。昨季まではセットした状態から左足を上げた後に腕を振り上げる一般的な形だったが、今キャンプでは最初に両腕を下から右肩方向に弧を描くように引き上げ、その後に左足を上げる「腕主導」の動作順に変更した。1月中旬の自主トレから取り組み、キャンプイン直前の合同自主トレで公開した新フォームを、キャンプ2日目に多くの報道陣とファンの前で披露。原辰徳監督が「リニューアルした感じがあるね」と改めて目を丸くすれば、菅野自身は「体重移動もスムーズになったと思いますし、何よりもバランスが一番、良くなった。バランスが良くなれば、確実にコントロールも良くなってくる」と力強く頷いた。

試行錯誤の真っ最中

「今までは変える必要がなかったけど、去年がダメだったので変えなくちゃいけない」

 プロ1年目の2013年から順風満帆なプロ人生を歩み、2017年、18年と2年連続で沢村賞を受賞した“大エース”菅野だが、昨季は好不調の波が激しかった。先発22試合で11勝6敗。防御率3.89に加えて、被打率.259、被本塁打20本もプロ7年間での自己ワーストを記録。前年と比較しても、完投数が10から3、投球回が202イニングから136回1/3イニングと大幅に減り、それに伴って奪三振数も200から120にまで減少した。悩まされた腰痛のケアだけでなく、「変えなくてはいけない」と思うのは、ある意味当然と言えるほど、菅野にとっては不甲斐ないシーズンだった。

 問題は、投球フォームをどこまで変えるか。これまでも少しずつ進化させてきたが、今回に関しては誰の目から見ても分かる「大きな変化」である。本人は「今は意識づけのためにオーバー目にやっている。実際にはもうちょっと落ち着いた形で収まるんじゃないかなと思う」と驚く周囲をなだめながらも、「投げていくうちにどんどん変化して行ければと思う」と試行錯誤の段階であることを隠していない。事実、第一クール最終日の4日のブルペンでは、半円を描いていた腕の軌道をやや平行気味に変えた形で40球、熱のこもったピッチングを披露した。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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