FC今治・岡田武史会長がSAJ2020に登壇 スポーツアナリティクスに求めるものは?
今治での観戦体験調査で見えてきた興味深いデータ
今治がJ3に上がった2020シーズに向け、森松氏は「仮説を検証していく時期」と語る 【写真:日本スポーツアナリスト協会】
具体的には「試合観戦」では77だったのに対し、試合前の「イベント会場での体験」が82、試合後での「帰宅後のメディア体験(SNS、NEWSなど)」が100という高い数値を示している。「これは試合内容が良くないってこと?」と少し不満げな岡田会長に対し、森松氏は「シーズンが始まったばかりだからだと思われます」。ちなみに5試合勝利なしの状況で臨んだドラゴンズ戦は、5-0で久々に勝利してJ3昇格に大きく前進したが、この時の調査では「試合観戦」が突出して高い数値を示していた。
この他にも「メインスタンド指定席」「メインスタンドエリア指定席」「ゴール裏自由席」という座席セグメント別で影響度の違いが見られたり、コアファンの間では「選手愛」「熱気愛」「FC今治愛」の伸びが際立っていたり、さまざまな興味深いデータが紹介された。その上で「何となく仮説が見えてきたので、今年は仮説を検証していく時期だと思っています」と森松氏。一方の岡田会長は「お客さんの好みや目的に合わせた、いろいろなカスタマーサービスをしていかないといけないと思います」。そして、こう続ける。
「よく『欧州や米国を参考に』と言いますが、欧州の週末はサッカーを見に行く以外、基本的にやることがない。米国も国民の多くがカントリーサイドで暮らしているから、テレビでのスポーツ観戦が主流で、だから放映権もどんどん高くなっている。それに比べると、日本の週末はいくらでも楽しいものがあるし、どこからでもその日のうちにディズニーランドに行けるわけです。そういう状況の中で、どうやったらFC今治の試合を観に来てくれるのか。こうして得られたデータを元に、真剣に考えないといけないと思っています」
夢スタではどんな体験ができるのか。今回のセッションで何かを感じた方は足を運んでみてほしい 【写真は共同】
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