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FC今治・岡田武史会長がSAJ2020に登壇
スポーツアナリティクスに求めるものは?

今治での観戦体験調査で見えてきた興味深いデータ

今治がJ3に上がった2020シーズに向け、森松氏は「仮説を検証していく時期」と語る
今治がJ3に上がった2020シーズに向け、森松氏は「仮説を検証していく時期」と語る【写真:日本スポーツアナリスト協会】

 今治での観戦体験調査は、2019年シーズンのJFL3試合がチョイスされた。すなわち、4月28日の鈴鹿アンリミテッドFC戦、7月14日の奈良クラブ戦、そして11月3日の流経大ドラゴンズ龍ケ崎戦である。グローバル調査によれば、日本の場合、波形が最も高かったのが「試合観戦」。試合前や試合後にも山があるドイツや米国と比べると「与えられたコンテンツに満足して拍手をしている」(森松氏)傾向が見られる。ところが今治の場合、第1回の調査で、いくつもの山が見られた。


 具体的には「試合観戦」では77だったのに対し、試合前の「イベント会場での体験」が82、試合後での「帰宅後のメディア体験(SNS、NEWSなど)」が100という高い数値を示している。「これは試合内容が良くないってこと?」と少し不満げな岡田会長に対し、森松氏は「シーズンが始まったばかりだからだと思われます」。ちなみに5試合勝利なしの状況で臨んだドラゴンズ戦は、5-0で久々に勝利してJ3昇格に大きく前進したが、この時の調査では「試合観戦」が突出して高い数値を示していた。


 この他にも「メインスタンド指定席」「メインスタンドエリア指定席」「ゴール裏自由席」という座席セグメント別で影響度の違いが見られたり、コアファンの間では「選手愛」「熱気愛」「FC今治愛」の伸びが際立っていたり、さまざまな興味深いデータが紹介された。その上で「何となく仮説が見えてきたので、今年は仮説を検証していく時期だと思っています」と森松氏。一方の岡田会長は「お客さんの好みや目的に合わせた、いろいろなカスタマーサービスをしていかないといけないと思います」。そして、こう続ける。


「よく『欧州や米国を参考に』と言いますが、欧州の週末はサッカーを見に行く以外、基本的にやることがない。米国も国民の多くがカントリーサイドで暮らしているから、テレビでのスポーツ観戦が主流で、だから放映権もどんどん高くなっている。それに比べると、日本の週末はいくらでも楽しいものがあるし、どこからでもその日のうちにディズニーランドに行けるわけです。そういう状況の中で、どうやったらFC今治の試合を観に来てくれるのか。こうして得られたデータを元に、真剣に考えないといけないと思っています」

夢スタではどんな体験ができるのか。今回のセッションで何かを感じた方は足を運んでみてほしい
夢スタではどんな体験ができるのか。今回のセッションで何かを感じた方は足を運んでみてほしい【写真は共同】

 最後に、今回のセッションのモデレーターを務めてみての感想を記しておく。岡田会長が指摘したように、今回の客層は「だいぶ違う人種」であると私も感じた。試しに「今治のホームゲームを見たことがある人」と尋ねたところ、約350人の客席で挙手したのは10人ほどにとどまった。今回のセッションで何かしら響くものを感じたなら、夢スタで今治のホームゲームを体感することを強くお勧めしたい。J3の開幕日は3月8日、今治の対戦相手はFC東京U-23である。


 岡田会長の言葉を借りるなら「だまされたと思って」ぜひ夢スタへ!

宇都宮徹壱
宇都宮徹壱

1966年生まれ。東京出身。東京藝術大学大学院美術研究科修了後、TV制作会社勤務を経て、97年にベオグラードで「写真家宣言」。以後、国内外で「文化としてのフットボール」をカメラで切り取る活動を展開中。旅先でのフットボールと酒をこよなく愛する。著書に『ディナモ・フットボール』(みすず書房)、『股旅フットボール』(東邦出版)など。『フットボールの犬 欧羅巴1999−2009』(同)は第20回ミズノスポーツライター賞最優秀賞を受賞。近著はスポーツナビでの連載をまとめた『J2&J3 フットボール漫遊記』(東邦出版)

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