女子日本代表:オリンピック世界予選へ向けて始動!「今後の女性アスリートに何かを残すためのチャレンジ」大崎佑圭選手
【JBA】
すでに出場権がある日本ですが、「オリンピックで金メダルを獲る目標を叶えるためのまだ旅の途中です」というトム・ホーバスヘッドコーチ。昨年、FIBA女子アジアカップを4連覇し、その後に行われたアジア・オセアニア地区でのオリンピック・プレ予選も3連勝し、負けていません。「昨年は選手たちがどんどんレベルアップしてくれました。その良い流れをこのOQTにも続けていきたいですし、今大会を通じてさらにレベルアップをしたいです」と目標に向かっていきます。
17人の候補選手を招集し、「いつも通り負けたくはないので、ベストチームを作って臨みます」と練習中から戦いははじまっています。新たに北村悠貴選手 (日立ハイテク クーガーズ)、加藤優希選手、東藤なな子選手 (ともにトヨタ紡織サンシャインラビッツ)がチャンスを与えられるとともに、大崎佑圭選手(※崎は旧漢字)の復帰はサプライズでした。
【JBA】
JX-ENEOSサンフラワーズでインサイドのコンビを組んでいた渡嘉敷来夢選手は、「オフェンスで相手の裏を取ったり、シールしたり、ノーマークのときには思い切って3Pシュートを打って決めていたので、本当に普通にプレーできています。トレーニングをはじめているとは聞いていましたが、まさかこのタイミングで、ここまで動けるようになっているとは思わなかったです」と驚きます。宮澤夕貴選手も「ポジションの取り方が上手ですし、身体をぶつけたときにやっぱり強いです。違和感がないですね」と復帰を歓迎します。
渡嘉敷来夢選手 【JBA】
「産後2〜3ヶ月が経った頃からたるんだ身体を戻したいと思って、ジムにはコンスタントに通っていましたが、オリンピックを目指して準備をはじめたのは昨年9月頃。子どもの預け先がクリアになりそうで、『よし、できるぞ』と思って始動しましたが、10月に入ると子どもの預け先がなくなり、結局私も動けなくなってしまいました。そのときは、ここで諦めるしかないかなとも思いました。でも、トムさんに相談し、預け先とともに自分をトレーニングしてくれるコーチの問題をクリアできれば、チャンスを与えて欲しいと伝えました」
ご両親も働いているために頼ることができず、一時保育に預けながら自分の時間をなんとか確保する状況です。トレーニングに関しては、女子日本代表のスポーツパフォーマンスコーチである松野慶之氏がサポート。それも昨年12月後半からであり、準備期間は1ヶ月もありませんでした。「子育てをする中でトレーニングできる時間は限られます。最初に身体をチェックし、復帰に対して一番の問題点は持久力でした。それとケガ予防も重要です。優先順位をつけながらリスクを最小限にし、走るボリュームを最大限上げることをフォーカスしました」と松野氏がプログラムを組み、コンディションを上げていきます。
大崎佑圭選手 【JBA】
「出産した選手が戻ってくることは今の日本バスケには例がありません。どれだけできるのかは僕も未知数でしたが、そもそも優秀な選手であり、2年のブランクがある中でよくできているなと思います」と松野氏は感心し、恩塚コーチも「すごいですね。良い意味で普通です」と以前と遜色ないパフォーマンスを見せています。
大崎選手自身、アピールポイントとしてディフェンスを挙げ、ホーバスヘッドコーチもそこを期待しています。しかし、あくまでトライアウトであり、OQTへ向かう12人に入れなければ、所属チームがない現状ではこのチャレンジが早くも終わってしまうかもしれません。だからこそ、「先のことは分かりませんし、このロスターが決まったときに考えます。今はOQTに出ることだけを考えています」と集中していました。
「このタイミングで妊娠・出産をし、東京オリンピックという大舞台を見過ごすことはできなかったこともひとつの理由です。このチャレンジが失敗しても成功しても、今後の女性アスリートに何かを残すことはできるのではないかと思って、チャレンジすることを決めました」(大崎選手)
女子日本代表は1月30日(木)まで国内での合宿を続け、12人に選考してOQTへ向かいます。
【JBA】
吉田 亜沙美 (PG / 165cm / JX-ENEOSサンフラワーズ)
高田 真希 (C / 185cm / デンソー アイリス)
大崎 佑圭 (C / 185cm / 公益財団法人日本バスケットボール協会)
渡嘉敷 来夢 (PF / 193cm / JX-ENEOSサンフラワーズ)
本川 紗奈生 (SG / 176cm / シャンソン化粧品 シャンソンVマジック)
町田 瑠唯 (PG / 162cm / 富士通 レッドウェーブ)
宮澤 夕貴 (JX-ENEOSサンフラワーズ)
本橋 菜子 (PG / 165cm / 東京羽田ヴィッキーズ)
長岡 萌映子 (PF / 183cm / トヨタ自動車 アンテロープス)
北村 悠貴 (SG / 173cm / 日立ハイテク クーガーズ)
林 咲希 (SG / 173cm / JX-ENEOSサンフラワーズ)
馬瓜 エブリン (SF / 180cm / トヨタ自動車 アンテロープス)
加藤 優希 (SG / 179cm / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
赤穂 ひまわり (SG / 185cm / デンソー アイリス)
宮下 希保 (SF / 179cm / アイシン・エィ・ダブリュ ウィングス)
オコエ 桃仁花 (PF / 182cm / 富士通 レッドウェーブ)
東藤 なな子 (SG / 174cm / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
■FIBA 東京 2020 オリンピック予選大会 概要
期間:2020 年 2 月 6 日 (木) 〜 9 日 (日)
開催地:ゼルビア・ベオグラード / フランス・ ブールジュ / 中国・佛山 / ベルギー・オステンド
参加国・組み合わせ:
※表記は 【開催都市】 国名(2020年 1 月21日現在の FIBA ランキング) の順
【セルビア・ベオグラード】 ナイジェリア (17)、アメリカ (1)、セルビア (7)、モザンビーク (43)
【フランス・ブールジュ】 フランス (5)、プエルトリコ (23)、ブラジル (15)、オーストラリア (2)
【中国・佛山】 韓国 (19)、中国 (8)、イギリス (18)、スペイン (3)
【ベルギー・オステンド】 カナダ (4)、日本 (10)、ベルギー (9)、スウェーデン (22)
試合日程:
2020年 2 月 6 日 (木) vs スウェーデン 26:05 試合開始予定
2020年 2 月 8 日 (土) vs ベルギー 26:05 試合開始予定
2020年 2 月 9 日 (日) vs カナダ 26:05 試合開始予定
※記載時刻はすべて日本時間
※3 試合ともBS-TBS、CSフジテレビ TWO / NEXT、DAZN で LIVE 放送予定
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