日テレ関係者が明かす選手権中継の舞台裏 選手がYouTubeに出ることに喜ぶ時代に

川端暁彦
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埼玉に住んでいる浦和サポーターが、浦和に加入する武田英寿が所属する青森山田の試合を全試合追えるようになった 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 静岡学園高校の24大会ぶり2度目の全国制覇で幕を閉じた第98回全国高校サッカー選手権大会。記念すべき100回大会まであと2回。令和新時代に入り、大会のあり方、中継の仕方にも変化の波が訪れている。

 そこで、日本サッカー協会、全国高等学校体育連盟とともに大会を主催する日本テレビのスポーツ局チーフ・プロデューサーの市川浩崇さんとスポーツ局高校サッカー事務局長、専門副部長の永井孝昌さんとに、選手権中継の変化や選手権そのものの魅力について聞いた。(取材日:2019年12月24日)

最大の変化はインターネットへの全試合配信

――今日は日テレさんなりの高校サッカー観や今後に向けての戦略、あるいは今大会から打ち出している方策について、うかがいたいと思います。

市川 私は入社からずっとスポーツをやっていましたが、高校サッカーは本当に1回だけしかやっていませんでした。ですから、外から見て「ここはどういう仕組みになっているのだろう」ということもありました。6月から担当になり、新鮮な目で観ている視点から、「いろいろ変えられるところもある」という社内提案をしています。実際、いろいろと変えている最中という感覚ですね。

――今年に向けて変えた部分は具体的にどこですか。

市川 一番はインターネットへの配信ですね。100回大会までに向けて中期的プロジェクトを僕らは持っていて、その中で若年層に楽しんでもらいたいという思いがまずありました。あと、高校サッカー選手権は高校野球と違って(甲子園のような)1つの会場で行われているわけではありません。試合は関東でやっていて、それぞれの地区の地元局は放送をやるけれど、選手のおばあちゃんが県境を超えたところに住んでいたら、孫の活躍は観られない。

――甲子園だとテレビでも順番に全試合やるけれど、選手権は関東8会場同時開催ですからテレビ放送の場合はそもそも両立し得ないですよね。
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著者プロフィール

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開。古巣の『エル・ゴラッソ』をはじめ、『スポーツナビ』『サッカーキング』『フットボリスタ』『サッカークリニック』『GOAL』など各種媒体にライターとして寄稿するほか、フリーの編集者としての活動も行っている。近著に『2050年W杯 日本代表優勝プラン』(ソル・メディア)がある

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