桐蔭学園を優勝に導いた“修正能力” ラグビー元日本代表・藤井淳が解説
“超高校級”だった桐蔭学園SO伊藤大祐
カウンターアタックで相手を抜き去る桐蔭学園・伊藤大祐主将(10番)。チームを日本一に導いた 【写真は共同】
ひと言で言えば超高校級。落ち着いていて判断が良いですし、ラン、パス、キックとすべてにおいてレベルが高かったです。今は体の線が細いですが、これから体が大きくなればさらに楽しみです。
早稲田大に進学予定ということなので、現在の司令塔の岸岡智樹選手や、日本代表で活躍した山中亮平(神戸製鋼)選手のようになってもらいたいと思います。
トライにつながった伊藤選手のカウンターアタックでは、御所実は蹴ることを決めていたのですが、疲れからか、集中力が乱れたのか、少しだけディフェンスラインがズレていました。そのわずかな隙を逃さなかった伊藤選手のランニングスキルは高校生レベルでは抜けていると思います。
※リンク先は外部サイトの場合があります
花園でも「タイムキーパー制」の導入を
今季も「聖地」花園で高校生の熱い戦いが繰り広げられた 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
選手の立場からすれば、ぜひタイムキーパー制を導入してほしいです。これは強く思います。
一度、「終わった」と思ったところからプレーが継続すると選手も動揺しますし、今日のケースで仮にどちらかがスコアしていたら試合の流れが大きく変わります。花園は高校生にとって一番の晴れ舞台なので、彼らが試合に集中するためにルールを考えてもらいたいです。
TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)は複数のテレビカメラなどが必要なので、準備できないこともあると思いますが、タイムキーパー制はできれば次回の選抜大会からでも導入してほしいと思います。
(取材・文:安実剛士/スポーツナビ)
藤井淳/JunFujii
東芝ブレイブルーパスで活躍した藤井淳氏。2012年にはエディー・ジョーンズHCにより日本代表に選ばれ、6キャップを獲得した 【写真:アフロスポーツ】
西陵商高時代に全国大会に出場、明治大では抜群のスピードを生かして活躍した。東芝ブレイブルーパスでは強気のリードでFWをまとめ、ディフェンス面も向上。2012年にはエディー・ジョーンズHCにより日本代表に選ばれ、6キャップを獲得した。2019年に現役引退。