廣瀬俊朗が語る「自分らしさ」の見つけ方 リーダーとして大切にしてきたこと

構成:スポーツナビ

今後の日本ラグビーは試合以外の楽しみも

日本代表ではエディー・ジョーンズHC(現イングランド代表HC)の下でリーダーシップを発揮した 【写真:築田純/アフロスポーツ】

――リーダーとしてみんなをまとめる際に必要なことはなんでしょうか?

 目的を明確にすることです。「自分たちらしさ」を理解して、全員が向かうべき目標を一緒に作っていくことが大切だと思います。

――「自分らしさ」や「自分たちらしさ」を探すのは簡単なようで、難しいように感じます。

 ひとつの方法として周囲の人に聞くことがあると思います。自分のことを他者から聞くことで新たな発見があり、自分というものが見えてきます。
 過去に楽しかったこと、つらかったこと、複数の選択肢から選んできたこと……それらを振り返るのも有効な手段です。そうしてフィードバックしていくことで、自分が持っているもの、自分らしさが見えてくるはずです。

――トップリーグが1月12日に開幕します。廣瀬さんが期待することは?

 選手たちはワールドカップの後が大事だということをわかっていると思います。彼らのパフォーマンスは心配していません。試合は楽しくなるはずです。

 あとは試合以外の部分をどれだけ楽しくできるかだと思います。ワールドカップでは音楽が気持ちを盛り上げましたし、ハーフタイムには大型ビジョンで太鼓をたたくファンを次々と映すコーナーも人気がありました。元代表選手たちが話すイベントもそうですが、試合以外の部分が充実していたと思います。

 今回のワールドカップで「ノーサイド」や「ジャッカル」などのラグビー用語が日本の共通言語になってきたと思うので、トップリーグや大学、高校の大会が盛り上がることで定着してほしいですね。
 また、子どもたちがラグビーをできる環境作りも必要です。ラグビーに興味を持っても地域や学校によっては続けられない状況があるので、彼らが安心してラグビーを楽しめるように裾野も広げていければ良いと思います。

(取材・文:安実剛士/スポーツナビ)

廣瀬俊朗/ToshiakiHirose

1981年生まれ。大阪府出身。北野高‐慶応大‐東芝ブレイブルーパス。

北野高時代に高校日本代表に選ばれ、主将を務める。慶応大、東芝でも主将として活躍。2012年にエディー・ジョーンズHC(現イングランド代表HC)に日本代表主将に任命され、15年ワールドカップの3勝に貢献した。
16年に引退し、19年に東芝を退社。MBA取得やドラマ『ノーサイド・ゲーム』出演など幅広く活躍している。現在は株式会社HiRAKU代表。

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