<国内男子ゴルフ>今平周吾が元号またぎの偉業に「嬉しい」「悔しい」

チーム・協会

【嬉しくて、悔しい賞金王】

■国内男子ゴルフ/トップ30人の祭典。王者の中の王者が決まった「ゴルフ日本シリーズJTカップ」(12月5日〜8日、東京・東京よみうりカントリークラブ)」8日・最終日

平成最後の賞金王が、元号またぎの偉業をやった。今平周吾が、令和最初の王座についた。青木とジャンボと中嶋、片山に次いで、27歳67日で達成した史上5人目の連続賞金王は、ジャンボの27歳318日を抜く年少記録。
最終ホールのダブルボギーで今季最終戦での3勝目は逃したが、2勝を含む今季16度目のトップ10入りで、最終戦は3位。2位のノリスに2差をつけ、強さと安定感を見せつけた。


2年連続の賞金王は「嬉しい」。しかし、悲願の今季3勝目を最後の最後に獲り逃したのは「悔しい」。
2差の5位タイから出た最終日は「勝って決める」と5つのバーディに、気持ちがこもった。単独首位で、今平は最後の難関に入った。

「18番まで優勝のチャンスがありましたけど、2打目で奥に行ったのが、今日の敗因」。

難しい最終パー3の第1打は、4Iで左手前のラフへ。2打目のアプローチは「ライがよかったので、スピンで止めようと思ったのが跳ねてしまった」とピン奥1メートルは、警戒していた急な下りのラインが残った。
パーパットは「タッチを合わせてもオーバーする。薄めに読んで、強めに打った」。勝負の1打は4メートルも行き過ぎた。返しのボギーパットも外して痛恨の3パット。
通算7アンダーに沈み、石川とケネディとのプレーオフにも進めなかった。

平成最後の賞金王に輝いた昨年は、わずか1勝の戴冠だった。
今年は年頭から年間3勝を目標に、勝ちにこだわってきた。海外での活躍も増やし、帰国するたびに飛距離やパワーアップを求めて筋トレや、スイング改造に没頭。

日替わりで、新しい課題に取り組む貪欲さを、渡辺研太トレーナーは「あくなき探求者」と呼んだ。
「去年の賞金王時も自分のゴルフに満足することはなかった。すぐ色々試す器用さで、日々バージョンアップしている」(渡辺さん)。努力の繰り返しで「去年より、今年のほうが精度も上がっているので、そこは成長している部分」と本人も、自信を深めて今年も賞金1位で、最後の大勝負に乗り込んだ。

昨年の雪辱をかけて、2位のノリスが初日から、V争いを繰り広げていた。勝たれれば、逆転される。
普段と変わらぬ強心臓に見えて、「今週は、QTを戦っているみたい」と、週の初めに婚約者に打ち明けていた。
賞金レースを争いながら、今季3勝目を求める心境を、自身は13年に最後に出場した予選会「ファイナルQT」になぞらえ、親しい人だけに吐露していた。

プレッシャーは、ポーカーフェイスの下にひた隠してボギーなしの5アンダーで突入した最終ホールで、ダブルボギーを叩いて今年最後のVチャンスを掴み損ねた。

「去年もそうですけど、最後に詰めが甘いところがある。来年は修正していきたい。もっと、平常心でいられるようにしたい」。2年連続のハレ日にも、反省を口にした。

海外初戦の「SMBCシンガポールオープン」での棄権を除いて国内では、出場24試合で全予選通過。トップ10は16回。2位5回。
「安定していることも、大事ですけど勝つことが、これからはもっと大事」。
最終ホールのダブルボギーでキングの口元が、大観衆にはわからない程度に、わずかにゆがんだ。
史上5人目&最年少での2年連続賞金王でも埋めきれない悔しさを残して2019年は終戦した。
「今年は2勝で終わりましたけど、年間3勝できる選手になるのが理想」。
惜敗こそが、王者をさらに強くする。
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