<国内男子ゴルフ>石川遼が、就任2年目の選手会長V締め

チーム・協会

【今年も1年、ありがとうございました!】

■国内男子ゴルフ/トップ30人の祭典。王者の中の王者が決まる「ゴルフ日本シリーズJTカップ」(12月5日〜8日、東京・東京よみうりカントリークラブ)」8日・最終日

燃える真っ赤なセーターに、深紅のウィナーズジャケットを着せ掛けられ今季最後の勝者が、贅沢な悩み。「どちらの挨拶からしたらいいのか」。シーズン最終戦で、選手会長が劇的な今季最多の3勝目。
「選手を代表して感謝申し上げます」と言ってすぐに「優勝したなんて、信じられません」と、勝者の顔で声が上ずる。
恒例の全員参加の表彰式で、喜びと責任が入り混じった。
離脱から明けた任期満了の就任2年目に、石川遼が15年に次ぐ大会2勝目で、自ら最高のフィナーレを演出した。


2打差の5位で迎えた最終日は、507ヤードと長い11番のパー4でついに首位を捕らえたが、そこからボギー(12番)、バーディ(13番)、バーディ(14番)、ボギー(15番)、バーディ(16番)、バーディ(17番)と、「これはボギー打ってものバーディなのか? バーディなのにのボギーなのか。分からないくらい」と、にぎやかに出入りを繰り返して「大変でした」。
大騒ぎの単独首位で、最後の難関パー3を迎えたが、第1打を右のラフ。あえなくボギーで豪のケネディとのプレーオフにもつれこんだが、石川はこの上なく笑顔だった。

最終日の同組には、賞金2位のノリス。前組には同1位の今平がいた。賞金レースの渦中で「僕は蚊帳の外だった」。
石川の逆転・賞金王は、前週で消滅したが、それでも主役たちに紛れて今年最後の優勝を争えた。
「すごく楽しかった」。

18番ホールでのサドンデスも、嬉々として臨んだ。「あんな泥臭い人いるのかというくらい、へばりついていった」。屈指のパー3で再三、ティショットを右に外しながらしぶとくパーを拾い続けて、ついに3ホール目。
ピン2.5メートルを捕らえて劇的バーディで決着させた。

昨年は、小平と黄と3人のプレーオフに敗れてついに未勝利に終わった雪辱を晴らした。

V賞金4000万円を加えて、28歳82日での生涯獲得10億円突破は、池田勇太の31歳269日を抜いて、史上最年少記録。

17年の宮里優作以来となる、大会史上2人目の選手会長Vで、任期満了となる就任2年目の最後を華々しく飾った。

昨年、26歳の史上最年少で重責を背負ったが「みんな、同級生だったらいいですけど、学校の生徒会長のようにはいかない。言い方とか」。
大人の社交場で、意見を言ったり取りまとめるのにもひと苦労。「選手会の代表として、選手のみなさんの立場を守れればと思ったけど現実問題は、そんなに甘くなかった」。
頭を下げて、協力をあおいで歩き、慣れないスーツ姿で折衝や貢献活動に奔走した。
「そんなに大したことはやれなかったという反省もありますが、人として成長させてもらえたことでは本当にありがたい2年間」。

今季は特に、国内開幕から腰痛で躓きながら、みごとに二足のわらじを履き切った。5月の中日クラウンズでプロ初の途中棄権からの離脱も、執念のリハビリで復活。7月の日本プロで1勝を飾ると、8月のセガサミーカップでは自身初の連勝を達成。
秋には1Wの不振で、11月に2週連続予選落ちも味わったがシーズン最後にみごとに再復活。
紆余曲折を乗り切った。激動の1年を、願ってもない形で締めくくった。

この1勝で、世界ランクも113位から松山、今平に次ぐ日本人3番手の80位台に浮上する見込み。
上2人に代表権がある目標の東京五輪に向けて「昨日の時点では、意識できないくらい遠い位置にいると思っていたけど、これで首の皮一枚という感じですかね」。
いよいよ勝負の2020。シーズン最後の土壇場で、ひとつ、大きく扉をこじ開け新年に向かっていける。
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