流経大柏が目指した『木鶏』の強さ 千葉を去る本田監督、最後まで「らしく」

平野貴也
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最後まで気力を振り絞った一戦

3年ぶりに予選敗退となった流経大柏 【写真:平野貴也】

 いつもと変わらぬ表情だった。72歳の指揮官は、最後の舞台でもただ勝負に負けたことを悔しがっていた。

 第98回全国高校サッカー選手権大会。千葉県大会の決勝戦、2-3で市立船橋高校に敗れた流経大柏高校の本田裕一郎監督は、苦味を多く含んだ笑い方で言った。

「らしくて、良かったと思います。勝負としては、良い勝負でしたね。見ている人は、楽しかったでしょう。イージーなミスでもったいなかったけど。まあ、良いんじゃないですか。これが高校サッカー。勝負は勝たなければダメだけど、普段通りにはいかない。勝たせてあげたかったけどね。こういうのを勝つと、高校生は、ガラッと変わるから」

 本田監督は、今季限りでの勇退が決まっており、来季からは県外の他校で指揮を執ることが内定している。シーズン開幕前には、今季で退くことを選手たちにも伝えていた。最後の選手権の相手は、何度も死闘を繰り広げて来た最強のライバル、市立船橋だった。
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著者プロフィール

1979年生まれ。東京都出身。専修大学卒業後、スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集記者を経て2008年からフリーライターとなる。主に育成年代のサッカーを取材。2009年からJリーグの大宮アルディージャでオフィシャルライターを務めている。

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