“ラストチャンス”に挑んだ西岡剛 「自分の中ではやり切った」と前を向く

ベースボール・タイムズ

以前の“強み”をアピールし切れない状態

インタビューに答える西岡。チャレンジを続けていくとのことだが、来年はどこのユニホームを着ているのか 【小中翔太】

 毎年のことだが、西岡を含めてこの日のトライアウトに参加した多くの打者が、カウント1ボール1ストライクからという特別ルールにも苦しみ、思うような結果を残せなかったものが多い。その一方で、この日の結果がすべてではないことは各球団のスカウト陣も承知している。要は、西岡というプレーヤーを獲得するメリットがあるかどうか、である。

 そう考えると、多くのNPB球団が主力の世代交代を推し進める中で、西岡の35歳という年齢は小さくないネックになる。長打力と比べてスピードは年齢の影響を受けやすく、以前の“強み”をアピールし切れない状態となっている。

 また、脚力自慢の内野手としては西岡よりも4歳若く、中日から戦力外通告を受けた亀澤恭平も今回のトライアウトを受験しており、その亀澤はタイムリー三塁打を含む2安打2四死球で、5打席中4度の出塁。盗塁も1つ決めるなどアピールに成功した。

 純粋に「内野手」がターゲットの球団にとっては、西岡よりも亀澤の方が魅力的に映っただろう。

経験プラスアルファがどう捉えられるか

 あとは西岡の、経験プラスアルファの部分がどうなるか。千葉ロッテ時代に日本一、第1回WBCでは世界一に輝いた実績を持ち、チームのムードを変えられる選手として期待する球団が現れるかもしれない。

「こうしてプレーヤーとして続けているのもファンの皆さんの応援がすごく支えになっていますので、そういう方達にもっと応援してもらえる選手になりたいなと思っています」

 今年からトライアウトの受験回数は最大2回となり、昨年も受けた西岡にとっては今年がラストチャンス。たとえNPBから声が掛からなくても、現状のままBCリーグで現役続行の意欲を示している西岡だが、やはり上のレベルであるNPB復帰への思いは強い。野球人生の岐路に立たされたスピードスターに、果たして吉報は届くのか。

(取材・文:小中翔太/ベースボール・タイムズ)

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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