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打線不調のなか、白星を拾えている理由
オーストラリア戦・勝負を分けたポイント

「状況によって毎打席やるべきことが変わる」

勝ち越しとなる押し出し四球を選んだ浅村(写真右)。打ち急ぐことなく「やるべきこと」を冷静に実践し、打線を引っ張っている
勝ち越しとなる押し出し四球を選んだ浅村(写真右)。打ち急ぐことなく「やるべきこと」を冷静に実践し、打線を引っ張っている【写真は共同】

 データの少ない相手に対応しなければいけない国際大会、しかも短期決戦で、できることは限られている。同点劇が生まれた7回、先頭打者の吉田は2ストライクから低めに落ちるチェンジアップに食らいつき、何とかセンター前に落とした。ボール球を見極め、逆方向中心の打撃をしながら出塁率をいかに高めていくか。それを実践している一人が、オーストラリア戦でレフト前安打と勝ち越しの押し出し四球を選んだ浅村だ。


「全部が全部、初球から振っていくということではなく、打席でじっくりボールを見る打席も必要だと思います。状況によって毎打席やるべきことが変わる。自分がいいところで塁に出れば点が入るような打線なので、状況によって考えてやっています」


 打線の状態が上がらない中でも勝利を収めているのは、他の部分で補えている裏返しでもある。中継ぎ陣の状態が総じて良く、オーストラリア戦では先発・山口俊(巨人)が4回2失点で降板したが、後を受けたブルペンが流れを呼び込んだ。必ずしもすべての策が当たっているわけではないが、ベンチが動いて勝利を引き寄せている。


 12日以降は米国、メキシコ、韓国と対戦するなか、少しでも多く点をとっていくことが勝利には不可欠だ。オーストラリア戦では1番に丸を起用し、不振の坂本勇人(巨人)を先発メンバーから外した。今後個々の状態が一気に上がることは考えにくく、結果の出ている浅村をどのように起用するかも含め、ベンチの決断が勝負の分かれ目になりそうだ。

中島大輔

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。05年夏、セルティックの中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『プロ野球 FA宣言の闇』。2013年から中南米野球の取材を行い、2017年に上梓した『中南米野球はなぜ強いのか』(ともに亜紀書房)がミズノスポーツライター賞の優秀賞。その他の著書に『野球消滅』(新潮新書)と『人を育てる名監督の教え』(双葉社)がある。

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