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打線不調のなか、白星を拾えている理由
オーストラリア戦・勝負を分けたポイント

足でもぎ取った1点

7回、源田のセーフティースクイズで周東がホームイン。機動力で同点に追いついた
7回、源田のセーフティースクイズで周東がホームイン。機動力で同点に追いついた【写真は共同】

 台湾から日本にステージを移したプレミア12のスーパーラウンド初戦、侍ジャパンはオーストラリアに苦しい戦いを強いられた。


「一つ勝つのは非常に難しいと感じました。必ず終盤に何かが起こるということで、そこは信じてずっとやっていました」


 終盤の逆転劇で勝利した稲葉篤紀監督は、薄氷を踏む思いを振り返った。

 7回、試合を動かしたのは侍ジャパンの機動力だった。1点リードされたこの回、先頭打者の5番・吉田正尚(オリックス)が2ストライクからしぶとくセンター前安打を放つと、代走に周東佑京(福岡ソフトバンク)を送る。続く浅村栄斗(東北楽天)は空振り三振に終わったものの、周東が二塁にスチール。7番・松田宣浩は三振に倒れたが、8番・源田壮亮(埼玉西武)の3球目で周東が三盗に成功した。


 カウント2ボール、1ストライクのこの場面で、源田はセーフティーバントを仕掛けた。これが相手投手の犠打野選を呼び、周東が同点のホームを踏んだ。


「周東が三盗をしたので、(源田)壮亮もセーフティーバントという選択をできたと思います。周東と壮亮が流れの中で非常に大きな1点だったと思います」


 稲葉監督がそう振り返ったように、二人のスピードスターが足で1点をもぎ取った。

 2対2で迎えた8回、2死から3番・近藤健介(北海道日本ハム)がセンターに落ちる二塁打を放つと、申告敬遠を含む3連続四球で1点を勝ち越し。侍ジャパンは終盤に2点を奪い、スーパーラウンド初戦で何とか勝利をもぎとった。

“動くボール”を打ちあぐねている侍打線

「(今大会は)毎回こういう戦いになりますよね。オーストラリアのピッチャーを見ていて、ベネズエラと一緒であまりいいイメージが湧かなかったです」


 金子誠ヘッドコーチがそう話したように、細かい継投策で来たオーストラリア投手陣を侍ジャパン打線は打ちあぐねた。4回に反撃の狼煙(のろし)を上げるソロ本塁打を放った鈴木誠也(広島)と、浅村を除く各打者の状態がなかなか上がってこないのが現状だ。


 そんななか、ベンチは5回に松田、6回には1番に入った丸佳浩(巨人)に送りバントのサインを出している。


「(相手が)変則のピッチャーで、初見で捉えるのが難しい中で、なんとかスコアリングポジションに送ってまずは同点という流れにしようと思いました」


 稲葉監督はそう話したが、いずれも追いつくことはできなかった。試合終盤に足と相手の四球で逆転したが、外国人投手の“動くボール”という壁に今大会もぶち当たっている。


 3番の近藤は自身の状態をこう明かした。


「(毎試合)違うピッチャーなので、どうしても受け身になっていると思います。探り探りいっているので、三振も増えている。自分のスイング自体もずれているかなと思っているので、早く直したいなと思います。時間も限られていますし、そういう中で試合をしないといけないのは前々から決まっていること。しっかり自分のできることを打席でやっていけたらと思います」

中島大輔
中島大輔

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。05年夏、セルティックの中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に野球界の根深い構造問題を描いた『野球消滅』(新潮新書)。2013年から中南米野球の取材を行い、2017年に上梓した『中南米野球はなぜ強いのか』がミズノスポーツライター賞の優秀賞。

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