ZOZOチャンピオンシップ2019連載

石川遼は今季、なぜ復活できたのか? 復活の軌跡と2年ぶり米ツアー参戦の期待

北村収

ドライバーの飛距離が約18ヤードアップ

不振の原因にもなっていたドライバーが、今季は好調。復活の要因の一つと言えそうだ 【写真は共同】

 石川の復活の要素として明確に現れているのがドライバーの飛距離だ。昨シーズンは289.35ヤードだったが、今季は現時点で307.97ヤード。約18ヤードも伸びているのだ。丸山は「体力作りがうまくいったんじゃないでしょうか? あとは自信を持って振れるようになったから、パワーの伝達がうまくつながるようになったと感じますね」と、その理由を解説した。

 さらに、フェアウェイキープ率が昨年の96位から今季は65位までアップ。また、昨年も2位だった得意のパットは今年も2位と好調。ドライバーとパッティングが良いためか、バーディ率は今季堂々の1位(4.85)につけている。石川のギャラリーを魅了する、バーディを量産するゴルフが展開されていることが、データでも証明されている。

2年ぶりの米ツアー参戦となる石川。日本開催の地の利も生かし次のステップへ進みたいところだ 【写真:Haruhiko Otsuka/アフロ】

 米ツアー参戦中も課題だったドライバーに手応えを感じ、日本ツアーで最もバーディをとっている石川が、久しぶりの米ツアーでどこまで成果を残せるのか? 丸山は「優勝争いに加わってもおかしくはない」と話す。石川が好調であることに加えて、日本で開催されることで日本人は有利になるというのがその理由だ。

「本人がプレーした時に、『手応えがあります』とか、『自分の中では構えやすいです』『良いです』というコメントが出るなら、かなり期待できる」(丸山)

 米ツアーでは優勝こそないが何度も優勝争いに加わり、2位が2回ある。また、13年から17年までは主戦場としていた場所だ。米ツアー撤退からちょうど2年。ドライバーの飛距離が伸び、復活の手応えがあるなかで、どんなプレーを見せてくれるのか? タイガー・ウッズ、ロリー・マキロイ、そして松山英樹など世界の強豪が集まっているが、日本人注目の石川にも大きな期待がかかっている。

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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