ドラフト直前、各球団の「穴」を可視化 年齢分布から見る補強ポイントは?
巨人:新時代のスター候補に「ポスト阿部」も!
【ベースボール・タイムズ】
穴:22-25歳の捕手
原辰徳監督が復帰して5年ぶりのリーグ優勝を果たした巨人。FA補強も成果があったが、それ以上に若手の台頭が大きな原動力になった。チームの年齢分布を見てもバランスが良く、さらに若い。ここに多くの育成選手も控えており、頭数はそろっている。それだけに、まずは将来のチームの顔、新時代の球界のスターとなれるポテンシャルを持った“大物”を指名してもらいたい。
さらに考慮すべきは、捕手の指名。大黒柱だった阿部慎之助が引退し、小林誠司は30歳で、大城卓三は一塁での出場が多い。2017年のドラフトで育成を含めて4人の捕手を指名したが、今年は将来の正捕手候補を“数”ではなく“質”で選びたい。
DeNA:高校生スラッガーと即戦力捕手を!
【ベースボール・タイムズ】
穴:22-25歳の捕手
優勝には届かなかったが、2位に入ってラミレス監督の続投も決まった横浜DeNA。しかし、筒香嘉智がメジャー移籍する見込みで、現チームからのバージョンアップが求められる。
ここ近年は大学生投手を1位で指名し、成功してきた。引き続き即戦力投手の指名は必要だが、チームバランス的には高校生野手がほしいところ。神里和毅や乙坂智が台頭し、さらに細川成也が控える外野手ではなく、主軸に座ることができるスラッガータイプの内野手を指名したい。同時に捕手も大きな補強ポイント。22歳から25歳の捕手が0人なので、1年目から1軍レベルで戦える戦力を加えておきたい。
阪神:甲子園のスタンドにたたき込める、未来の4番を!
【ベースボール・タイムズ】
穴:19-21歳の内野手
穴:19-21歳の外野手
前年の最下位から終盤戦に強さを見せて、逆転でのCS進出を果たした阪神。矢野燿大監督の1年目はまずまずのスタートを切ったと言えるが、長年チームの顔であった鳥谷敬の退団が決定するなど、引き続き「改革待ったなし」の状況となっている。
年齢分布を見てもベテラン頼りで、21歳以下の若手が他球団と比べても極端に少ない。昨年は高校生を2人指名したが、今年は“それ以上”に期待。若手投手陣は育っており、野手では近本光司を筆頭に俊足巧打の人材はそろうだけに、甲子園のスタンドに放り込める高校生野手を指名したい。将来4番に座り、鳥谷のファン層を引き継ぐことができる人材がほしいところだ。
広島:投手陣強化&有望な高校生外野手を!
【ベースボール・タイムズ】
穴:19-21歳の外野手
穴:22-25歳の捕手
リーグ4連覇を狙いながらも、4位に沈んだ広島。やはり丸佳浩(巨人)の存在は大きかったと言える。その他の主力勢にも流出の噂があり、次のレギュラーを早めにそろえておかなくてはならない。その意味でも昨年の小園海斗は大成功だった。
佐々岡真司新監督が就任。脆弱(ぜいじゃく)だった投手陣の強化が求められており、1位での投手指名(森下の指名を公表済)は納得だが、2位以下で有望な高校生外野手、さらに左投手も加えておきたい。捕手は坂倉将吾、中村奨成がいるが、その一つ上の世代が不在。大学生、社会人の捕手を指名すればバランスも良くなり、坂倉、中村の成長曲線を引き上げることにもつながるはずだ。
中日:大島&平田の後継者指名で若返りを!
【ベースボール・タイムズ】
穴:22-25歳の捕手
穴:19-21歳の外野手
与田剛監督1年目を借金5の5位で終えた中日。上位進出にはチーム全体の底上げが必要だが、その中でも野手の若返りが求められる。高橋周平がようやく覚醒したが、注目されたドラフト1位ルーキー・根尾昂はプロの壁に跳ね返され、もう少し時間がかかりそうだ。
それでも方向性は間違っておらず、今年のドラフトでは来季開幕の時点で34歳の大島洋平、32歳の平田良介の後継者となる外野手を指名したい。また、左投手と捕手も引き続きの補強ポイント。若手投手が台頭してきたことからも、近年のドラフトの成果は徐々に出てきている。その流れを今度は野手陣全体に波及させたい。
ヤクルト:将来有望な野手を指名して世代交代を!
【ベースボール・タイムズ】
今年のドラフトでは、将来を見据えて高校生の内野手は必ず加えておきたい。左投手も足りていないが、それよりも野手が欲しいところ。また、22歳から25歳の捕手が0人なのも気になる。21歳の古賀優大と競い合える人材を確保したい。
(文・三和直樹、グラフィックデザイン・山崎理美)