ZOZOチャンピオンシップ2019連載

丸山茂樹だから分かる、松山・石川の状態 日本開催の地の利を生かせば優勝も…

北村収

石川遼も優勝争いに加わってもおかしくはない

今季2連勝を果たすなど、好調をキープする石川遼。丸山茂樹プロから見て、何が変わったのか? 【写真は共同】

――続いて、石川遼プロですが、まず今シーズン、日本ツアーで2連勝しましたが、復活できた理由をどう考えますか?

 理由は分からないですが、やはりドライバーへの不信感、不安が少し解けてきたのだと思いますね。それが中日クラウンズ(5月2〜5日)で棄権した後の1カ月の休みの間に、体を作ったり、違う練習方法を取り入れたりして、この何年間かすごく苦労してきたことに少し良い材料が見つかったように思います。僕も彼がラウンドを終わった後にインタビューした時に、「あ、もうバレていますね」と言われました。今のところ継続して成績が出ているので、そこにもしかしたら良い方向に向かった何かがあるのかな、ヒントがあるのかなとは思うんですけど……。一つのものがつながったりすると、相乗効果でいろんなものが全部良くなっていくことがあると思いますので、ティーショットでストレスを感じていたものが少しずつ溶けてきたっていうのが、彼が好調になってきた原因の一つなんじゃないかと思います。

――飛距離が随分伸びたというデータも出ているみたいですが?

 それは体力作りがうまくいったんじゃないでしょうか? あとは自信を持って振れるようになったから、パワーの伝達がうまくつながるようになったのかな、と感じますね。

――石川プロが優勝争いする可能性というか、PGAツアーでどこまで通用すると思いますか?

 日本のコースで開催されるので、優勝争いに加わってもおかしくはないと思いますよ。

――先ほど松山プロの時にもお聞きしましたが、それは慣れている環境で開催されるからですか?

 そうですね。環境は大きいと思いますし、やっぱり相性が良いか、悪いかというのも大きな問題だとは思います。本人がプレーした時に習志野(カントリークラブ)をどう感じるか。それは本人しか分からないこと。その時に、「手ごたえがあります」とか、「自分の中では構えやすいです」「良いです」というコメントが出るなら、良いことなんじゃないですか。彼ははっきり言いますからね。自分が苦手なコースなのにうまくいったとか、ここでうまくいけば自分に自信につながるとか。はっきりと言葉に残してきているタイプなので、そこは隠さずにきちんと言うと思いますよ。

予選落ちがない試合ならではのアグレッシブさにも注目

予選落ちがないZOZOチャンピオンシップ。そのため、丸山プロは「選手は初日からアグレッシブに攻めるだろう」と話す 【赤坂直人/スポーツナビ】

――丸山さんが目玉選手の一人とおっしゃったマキロイの注目ポイントはどこでしょうか?

 やっぱり飛距離でしょうね。この体型・背丈(身長177.8センチ)で、190センチ近い選手のボールをオーバードライブしていくわけですから。ただ日本のコースは狭いので、マキロイはドライバーを全部使うのか、それともマネジメントに徹して14本のクラブでバリエーションを持って刻んだり攻めたりということをやるのか。「ZOZOチャンピオンシップ」は予選落ちがないので、僕はバンバンやってくると思うんですよ。そこがうまくいけば、恐ろしいスコアも出るんじゃないかなとも思いますね。ただ、日本の林はなめちゃいけないところがいっぱいあるので、そのトラップに捕まった時にどうリカバリーしていくのかも注目ポイントです。バランスの良い選手だと思いますので、もちろん上位に来ることを期待しながら見たいですね。

――予選落ちがないトーナメントならではの見どころは?

 それはもう最初からイケイケでいけるってことですよね。予選落ちがない試合は、松山選手が比較的強いですよ。もう決めているんだと思うんです。ガツガツ行くってことをね。だから、選手が思い切ってプレーするのが「ZOZOチャンピオンシップ」の楽しみの一つですよね。

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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