「楽勝」タワーオブロンドン千二の頂点 夏転戦を血肉にスプリンター資質が開花
中団追走から直線一気の差し切り
タワーオブロンドンがスプリンターズSを快勝! 新短距離王者に就任だ 【写真:中原義史】
タワーオブロンドンは今回の勝利でJRA通算14戦7勝、重賞は2017年GII京王杯2歳ステークス、18年GIIIアーリントンカップ、19年GII京王杯スプリングカップ、19年GIIセントウルステークスに続き5勝目となり、GIはうれしい初勝利。騎乗したルメールはスプリンターズS初勝利で、同馬を管理する藤沢和雄調教師は1997年タイキシャトル以来の同レース2勝目となった。
藤沢和雄厩舎にとってはあのタイキシャトル以来のスプリンターズS制覇となった 【写真:中原義史】
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「外に出したときにはもう勝てる」
「最後はすごくいい脚を使ってくれました。外に出したときにはもう勝てると自信がありましたし、ラスト200mはトップスピードになってくれました」
最後の直線に入ってすぐ、「外に出したときにはもう勝てると思った」とルメール 【写真:中原義史】
中1週、中2週……きついローテはすべて予定通り
ルメールは早くからタワーオブロンドンのスプリンターとしての資質を見抜いていた 【写真:中原義史】
「今日勝ったから(このローテーションは)完ぺきでしたね(笑)。まったく無駄ではなかったと思います」とルメール。トレーナーも「当初の予定通り」と話しており、夏の上り馬にありがちなイケイケドンドンのローテとは次元が違うことをうかがわせた。
というのも、今夏の転戦はタワーオブロンドンをスプリンターとして覚醒させるために組まれたもの。しかも、マイルで頭打ちだから目先を変えて千二へ……というわけではなく、ルメールは「最初からスプリンターだと思っていた」という。2〜3歳戦はビッグレースがマイルで行われているからそれに合わせていたためで、いわば満を持してのスプリント路線参戦だったというわけだ。特に自身の騎乗では初のスプリント戦となったキーンランドCの2着は、敗れたとはいえルメールにとって“スプリンターとしての自信”を深めるレースだった。
「函館はまだトップコンディションではなかったみたいだけど、札幌でとても良くなっていました。スプリントレースは普通のレースとは違うので、2着でしたけど、この経験でとてもいいスプリンターになると喜びましたね」