【記録と数字で楽しむドーハ世界選手権】女子20km競歩/岡田久美子、藤井菜々子

日本陸上競技連盟
チーム・協会

【JAAF】

9月27日(金)から10月6日(日)の10日間、カタールの首都ドーハで「第17回世界選手権」が開催される。ここでは、日本人が出場する種目を中心に、「記録と数字で楽しむドーハ世界選手権」を紹介する。

なお、これまでにこの日本陸連HPで各種の競技会の記事で筆者が紹介したことがある同じ内容のデータも含むが、可能な限りで最新のものに修正した。
★女子2km競歩★
9月29日23時30分(日本時間30日、朝5時30分)のスタート。

日本記録(1.27.41/2019年)保持者の岡田久美子(ビックカメラ)と若手のホープ20歳の藤井菜々子(エディオン)が出場。2019年の記録での順位(1国3人以内。前回優勝の中国は4人)は、岡田が7位、藤井が10位。この順位からしても、岡田・藤井ともに十分に「入賞圏内」にいる。

これまでの日本人選手の入賞者は、2009年・大邱大会で6位の渕瀬真寿美(大塚製薬)のみ。五輪での入賞者はいない。

世界選手権日本人最高記録は、上記の渕瀬の「1時間31分15秒」だ。

岡田は3回連続出場で、15年・25位、17年・18位。五輪にも16年に出場して、16位だった。

2011年からの世界選手権至近4大会と五輪2大会の「優勝・3位・8位の記録」は以下の通り。

 年    優勝記録 3位記録 8位記録
2011年   1.29.42. 1.30.44. 1.31.40.
2012年五輪 1.25.02. 1.25.16. 1.27.56.
2013年   1.27.08. 1.28.10. 1.29.17.
2015年   1.27.45. 1.28.13. 1.30.32.
2016年五輪 1.28.35. 1.28.42. 1.30.24.
2017年   1.26.18. 1.26.36. 1.29.26.

スタート時の「気温・湿度」「先頭の5km毎のスプリット」、「前半と後半」のデータも調べてみた。

なお、スプリットは各地点を先頭で通過した選手のタイムから算出したもので、優勝者のスプリットとは限らない。五輪の20km競歩については5km・15kmのタイムが不明のため、5kmは4km&6km、15kmは14km&16kmの通過タイムから推定した。「前後半差」の「△」は、後半の方が速かったことを示す。

年   スタート時 〜5km 〜10km 〜15km 〜20km(前 半+後 半/前後半差)
11年  22℃・88% 23.29. 22.47. 21.47. 21.39.(46.16.+43.26./△2.50.)
12年五 ?℃・?% 21.18. 21.15. 21.21. 21.08.(42.33.+42.29./△0.04.)
13年  22℃・57% 23.17. 22.03. 21.13. 20.15.(45.20.+41.28./△3.52.)
15年  25℃・65% 22.24. 22.55. 22.05. 21.21.(45.19.+43.26./△1.53.)
16年五 ?℃・?% 22.58. 22.26. 21.58. 21.13.(45.24.+43.11./△2.13.)
17年  19℃・46% 22.22. 21.48. 21.23. 20.45.(44.10.+42.08./△2.02.)

以上の通り、男子と同じく次第にペースが上がっていく「ビルドアップ」がほとんど。特にラスト5kmのアップが顕著で、21分ちょっとでカバーしている。もっと細かくみると、18kmからの残り2kmは、8分10秒〜20秒あたり(5km換算20分30秒あたりのペース)のことが多い。

つまり、男子と同じく前半は「様子見」で、10km過ぎから振るい落としのサバイバルが始まり、15kmまで生き残った選手でメダルを目指しての「用意、ドン」である。

ただ、9月26日時点の予報では、スタートから30分後の29日24時(30日0時)は「気温32℃」「湿度73%」「体感温度36℃」とのこと。「耐暑能力」が問われるレースとなる。


野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)
写真提供:フォート・キシモト
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