リベンジのCSだ! 2年連続の逆転日本Sへ ソフトバンクの鍵はブルペンと“熱男”

田尻耕太郎

松田宣がチームと球場を盛り上げる

松田宣の“熱男”が飛び出した時、チームと球場に勢いをもたらす 【写真は共同】

 また、打撃陣で注目したいのは松田宣浩だ。昨年に続いて30本塁打をマークした“熱男”は「自信になった。30発はバッターならば目指すところなので」と手応えのシーズンを振り返る。

 松田宣自身にとってもまた、リベンジのCSとなる。昨年のソフトバンクは球団初シーズン2位からの日本シリーズ進出を果たし、日本一も成し遂げたのだが、松田宣は苦しみの時間を過ごした。

 CSファーストステージでつまずいたのが全てだった。第3戦の第1打席まで、9打席無安打。初ヒットが本塁打となるが、3試合では12打数2安打と振るわなかった。ファイナルステージでも好転せずに最初の2試合が9打数2安打4三振。そして第3戦で、ついに三塁手の座をグラシアルに明け渡すことになったのだった。

 今季の松田宣は毎年のごとく熱かったのに加え、モチベーションは例年以上に高かったように映った。「初心に戻る」と言って、背番号を5番に戻したのも、あの悔しさがあったからだ。松田宣が打てばチームも球場も間違いなく盛り上がる。「一本出ると、二本、三本と出るタイプ」と自認するだけに、ファーストステージの入り方が彼自身だけでなくソフトバンク自体を大きく左右することになりそうだ。

 昨年、シーズン2位からの日本一を成し遂げたソフトバンク。ナインは確かな自信を持って戦いに臨む。まずは勢いをつけるためのCSファーストステージだ。本拠地ヤフオクドームで全戦を行える地の利を生かしたいところだ。
 
※記録は9月27日現在(ソフトバンクのレギュラーシーズン公式戦は残り2試合)

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著者プロフィール

 1978年8月18日生まれ。熊本県出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。2002年卒業と同時に、オフィシャル球団誌『月刊ホークス』の編集記者に。2004年8月独立。その後もホークスを中心に九州・福岡を拠点に活動し、『週刊ベースボール』(ベースボールマガジン社)『週刊現代』(講談社)『スポルティーバ』(集英社)などのメディア媒体に寄稿するほか、福岡ソフトバンクホークス・オフィシャルメディアともライター契約している。2011年に川崎宗則選手のホークス時代の軌跡をつづった『チェ スト〜Kawasaki Style Best』を出版。また、毎年1月には多くのプロ野球選手、ソフトボールの上野由岐子投手、格闘家、ゴルファーらが参加する自主トレのサポートをライフワークで行っている。

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