余計なものがないスッキリと片付いた部屋は、とっても気持ちがいいものです。それはわかっているけど、思い出の品ばかり溜めていたり、ごちゃごちゃした小物で散らかっていたり、必要のないものでも捨てることができなかったり…。きっと誰にでもあることですよね。断捨離は単に部屋の掃除や物を捨てるだけではありません。実は物を通して心の中も整理をしているのです。それは一体どういうことなのでしょうか？断捨離はきっかけがないとなかなかできないもの。季節の変わり目、衣替えのついでに断捨離をしてみませんか？また、この機会に、断捨離と心の関係についても考えてみましょう。

断捨離とは、物への執着を断つこと。執着心を手放すためには、嫌でも自分と向き合わなければいけません。断捨離をすると部屋だけでなくなぜか心もスッキリする！そんな経験はありませんか？それは、物を通して自分の感情と向き合い、受け止めて手放すという作業を無意識にやっているから。逆に、もう使わないのに捨てられないものがある、元カレとの思い出の物、若いころの愛用品が捨てられない、いつか使うかもしれないからとりあえずストックしておこう！そんな人もいるはず。使わない物が捨てられないのは、もしかしたそこに何らかのこだわりがあるからかもしれません。手放したくても手放せない思いや感情が残っている証拠なのでしょう。

身の回りは自分の今の状態を映す鏡です。今は使っていないものであふれた部屋は、過去の栄光、あるいは後悔の念、消化できていない思い込みなど、心の中が散らかっていることを示しています。一方、余計な物のないスッキリした部屋はどうでしょうか？そこには新たなお気に入りのの物を置く十分なスペースがあります。

つまり、新しいことを受け入れる準備や、一歩前に進む体制が整っていることを示していると言えます。ゆとりのあるスペースは心にもゆとりを与え、物事をうまく進める手助けになります。新しいことを始める前や人生の節目に身の回りの整理整頓をするのも、納得できますよね。

過去の物を手放せないことは過ぎたことへの執着、いつか使うかもしれないという理由でストックを抱え込むことは、未来への不安があることを映し出しているのかもしれません。また、使わないのにもらってしまったサンプルなど、さほど興味がないのにそのままにしている物はありませんか？それもまた、どうでもいいことに意識が向いて、大切なことに集中できない心の現れなのかもしれません。物であふれた環境では、なかなか今の自分に目を向けることは難しいはずです。断捨離は、今の自分に集中し、生き方や自分自身を大切にするマインドフルネスと同様の効果があるのです。

断捨離は物を通して今の自分と向き合うこと。その考え方はヨガの教えと共通する点があります。ヨガは周りの人と比べず、過去や未来に囚われない、今ここにいる自分を大切にしています。ヨガでほぐれた身体は緊張が解け、同時に心にも心地よいスペースが生まれます。身体と心にできたスペースが、深いリラックス効果を与えてくれるのです。

また、ヨガのクラスの中ではポーズだけでなく、仕事やプライベートにも生かせる、ヨガの考え方を学ぶこともできます。ありのままの自分自身を大切にするヨガの教えは、今の自分にいらないものを手放す断捨離の考え方と似ていると思いませんか？断捨離がうまく進まない時にはヨガの教えを思い出してみましょう。部屋にも身体にも心にも、風通しの良いゆとりのあるスペースを作ってあげませんか？今の自分に本当に必要なものは何なのか、大切にすべきことは何か、きっと気づくことができるのはずです。

ライター／須藤玲子
2005年にホットヨガと出会い、その後様々なスタイルのヨガを経験。会社員を経てヨガインストラクターになる。現在は、都内を中心にフィットネスクラブ、ホットヨガ、ヨガスタジオ、オフィス出張など多くの場でレッスンを実施。リストラティブヨガからパワーヨガまで、静と動のバランスを大切にヨガの指導を行う。ヨガと同様にアロマを伝える活動も行なっている。RYT200取得／フェイシャルヨガTT／骨盤底筋トレーニングヨガTT／リストラティブヨガTT／NARDアロマアドバイザー／yuica日本産精油スペシャリスト