渋野、プロ合格の地で成長見せられるか? 難関セッティングのチェリーヒルズGC

北村収

名匠が設計、思想は「リスク&リワード」

「チェリーヒルズゴルフクラブ」を設計したロバート・トレント・ジョーンズJr. 【写真提供:信和ゴルフグループ】

 会場となる「チェリーヒルズゴルフクラブ」を設計したのは名匠ロバート・トレント・ジョーンズJr.。15年の全米オープンの会場となった「チェンバーズベイ」や、16年の全米女子オープンを開催した「コードベールゴルフクラブ」を設計している米国を代表する設計家だ。

 日本女子オープンの会場でも池やバンカーが巧みに配置され、戦略的なコースセッティングになっている。設計思想は「リスク&リワード(危険と報酬)」。ハザードの危険を克服できればスコア上の報酬が得られるというものだ。

18番ホールは左側に大きな池がある。チェリーヒルズゴルフクラブは、全体的に戦略性が高いコースだ 【写真提供:信和ゴルフグループ】

 特に最終ホールとなる18番(パー5)は左サイドに大きな池。「安全に3オンを狙うなら、グリーンの入り口が右側になり、第3打をなるべくフェアウェイ右側から短い距離を打てるように、第1打、第3打とつなぐべき。そうすれは池がプレーラインに交差せず、グリーンも縦に長く使えるので、罠にかかることはない。ベストルートは池越えに2オンを狙うルートだが、そうするとグリーン手前の池が飛球線からもて斜めになり、しかも、グリーンは横長で奥行きがないので、正確なキャリーボールが求められる」と、ロバート・トレント・ジョーンズJr.は語っている。

メジャーセッティングの見どころは!?

所属プロの水品プロが「難しい」と話す池越えの11番ホール 【写真提供:信和ゴルフグループ】

「ラフが女子プロの力で出せるのかと思ってしまうくらい、とても深くなっています」と話してくれたのは、このチェリーヒルズカントリークラブに約15年所属していて男子レギュラーツアーの出場経験もある水品幸三プロだ。「18年の最終プロテストの時よりも、かなり厳しいセッティング」だそうで、この地でプロの称号を得る資格を得たプロにとっては、自分の成長を確認する格好の舞台になっているようだ。

 勝負のキーホールには、「18番はもちろんですが、17番(パー3)も勝負どころ。グリーンが横長で縦の距離があまりなく、風が読みづらい」と最終の2ホールをピックアップ。また、「全体的に戦略性が高く、ミスしてはいけない場所があるので、しっかりとマネジメントしてくことが大切。ピンを狙うべきでないところもいくつかあり、先ほどの17番もグリーンの中央を狙わなくてはならないホール。11番(パー3)も池越えで、ここはショートホールが結構難しい」とコース全体の特徴を語った。

 なお、戦略性が高いコースだからこそ、現地やテレビで観戦するアマチュアゴルファーにとっては、学んでほしいこともたくさんあるという。

「プロが戦略性の高い各ホールをどのように攻めるかを見ることは、皆さんのプレーの参考になると思います。アマチュアでもしっかりマネジメントができているか、できていないかでスコアの違いが生まれます。ぜひプロのプレーを見て、自身のゴルフにも生かしてほしいですね」

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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