3歳春GIへ注目の新潟2歳Sデータ予想 好走条件満たす1番手は良血モーベット

JRA-VANデータラボ

前走距離別成績(前走芝のみ)

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5は前走距離別成績で、前走が芝だった馬のみを集計の対象とした。前走1400mと1600mが各5勝と分け合っているのだが、これを前後半の5年ずつに区切ると興味深いことがわかる。というのも、前半の09〜13年は前走1400mが4勝と強かったのに対し、より近年の14〜18年は前走1600mが4勝と逆転しているのだ。好走率も前走1600mのほうが高く、現在はこちらを重視するのがセオリーと考えていいのではないか。

 そのほか、距離短縮となる前走1800mは2着、400mの距離延長となる前走1200mは3着がそれぞれの最高着順で、いずれも勝ち馬は出していない。なお、今年は前走がダートだった馬の登録はないが、距離を問わず合わせて【0.1.0.7】という成績。12年にノウレッジが10番人気で2着に入ったのが唯一の好走例となっている。

前走上がり順別成績(前走芝のみ)

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表6は、前走で記録した上がり3Fタイムの順位別成績。勝ち馬10頭のうち8頭は前走で上がり1位を記録しており、1着で狙う場合にはできれば満たしたい条件だ。そして、前走の上がり3位以下だと好走率が著しく落ち込むため、最低でも上がり2位には入っておきたい。

出走間隔別成績

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表7は前走からの出走間隔別成績。複勝率ベースで見ると、中5週以上の間隔で出走した馬の数値が高い。一方、前走からの間隔が短い馬は苦戦の傾向で、連闘や中1週は好走例がなく、中2週も14年1着のミュゼスルタンを除く36頭は4着以下に終わっている。勝率も合わせて考えると、中5〜7週がちょうどいいローテーションと判断できそうだ。

結論

 ここまでに確認した好走条件を改めてまとめておくと「キャリア1戦が有利」「馬体重は440〜479キロ」「前走距離は1400mか1600mで、近年は後者が好調」「前走上がりはできれば1位、せめて2位」「出走間隔は中5週以上、なかでも中5〜7週が優秀」となる。

 これらの5条件を多く満たす馬を今年の登録馬から探すと、まず挙がるのがモーベットだ。前走は東京1600mの新馬戦を上がり1位で勝利。前走時で馬体重454キロもちょうどいい。唯一、出走間隔の中11週はベストの中5〜7週からは外れるが、中9週以上も好走率自体は高く、勝ち馬も出ており、大きな瑕疵にはならない。母が2歳重賞で活躍したアイムユアーズという血統面も、この時期のレースでは強調材料となりそうだ。

 中京の新馬戦を3馬身差で快勝したクリアサウンドにも注目。前走は馬体重468キロかつ上がり1位で、中5週のローテーションも理想的。近年はやや勝ち切れていない前走1400mではあるが、有力な好走候補には違いない。

 新潟1600mの新馬戦を32秒0の末脚で制したのがウーマンズハートで、もちろん上がり1位を記録している。この馬で不安材料があるとすれば中2週のローテで、強烈な脚を使った前走の反動がないか、パドックなどで状態をチェックすることは不可欠だろう。

 ほかに名前を出しておきたいのは、前走時の馬体重496キロを除けば好走条件を満たすトライフォーリアル。キャリア2戦ながら前走1600mで上がり1位を記録した点を重く見たいセツメンノトビウオタイムマシン。もう1頭、前走上がり2位のぶん2、3着候補にはなるがグランチェイサーまで挙げておきたい。

文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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