女王エネイブル新境地開くKジョージ劇勝 1975年の“伝説”を彷彿させた一騎打ち

JRA-VAN

勝因は相手をクリスタルオーシャン1頭に絞ったこと

デットーリとの最強コンビは誰も止められないのか、次走候補は8月21日の英インターナショナルS 【Photo by Getty Images】

 類まれな勝負根性を発揮して一昨年に続いて”キングジョージ”2度目の制覇を飾ったエネイブルの勝因は、普段より後ろに構えて相手を一頭に絞ったことだろう。すぐ前にヴァルトガイストを置くことによってクリスタルオーシャンのドイル騎手の死角に入れたステルス作戦も効果的で、なにより勝負所で一気にスピードを上げてライバルに迫った並外れた運動能力も際立っていた。クリスタルオーシャンとは昨年秋のG3セプテンバーS(ケンプトン競馬場、オールウェザー2400m)で対戦し、その時はエネイブルがクリスタルオーシャンに3馬身半差をつけて逃げ切っていたが、デットーリ騎手は前走のG1プリンスオブウェールズSで、本格化したクリスタルオーシャンの強さを熟知しており、簡単に勝てる相手ではないことを理解していた。これまでは先行して直線入り口で先頭に立って後続を押し切る競馬を続けていたエネイブルだが、ライバルの存在が、新境地を開拓する結果にもつながったようだ。次走候補にはシュヴァルグランも参戦を予定する8月21日のG1英インターナショナルS(ヨーク競馬場、芝2050m)が挙げられていて、その後は史上初の3連覇を賭けてG1凱旋門賞に臨むことになる。

シュヴァルグランはこの経験を次走へ

シュヴァルグランは重い馬場が堪えたか6着敗戦、引き続き英国に滞在し英インターナショナルSを目指す 【Photo by Satoshi Hiramatsu】

 遠征初戦は重い馬場もあって最後はワンペースになって6着に終わったシュヴァルグランだが、欧州競馬を経験したことで次戦予定のG1英インターナショナルSでは更なる変わり身を見せてくれるものと期待したい。

(サラブレッドインフォメーションシステム 奥野 庸介)

2/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント