世界最強馬に挑む日本馬シュヴァルグラン Kジョージで期待高まる打倒エネイブル

JRA-VAN

2強牽制ならつけ込む隙も……

 両馬が牽制し合う展開につけ込みたいのがアンソニーヴァンダイクや日本期待のシュヴァルグランらだ。アンソニーヴァンダイクの英ダービー制覇はゴール前の混戦を離れた位置から差し切ったもの。今回は僚馬ノルウェーがペースメーカーを務めることになりそうで、連携作戦で先行する2強をかく乱できればチャンスが訪れる。

 シュヴァルグランには自在性があるが、唯一のG1勝ちであるジャパンカップをベストレースとするならば、2強に近い位置からのレースとなるか。日本の高速馬場で養った瞬発力と3000mもこなすスタミナを兼ね備えており、エネイブルとクリスタルオーシャンの双方の勝ちパターンに対応できそうだ。父ハーツクライのキングジョージ(2006年)のように、直線で馬体を併せるところまで持ち込めれば、一角崩しへの期待も高まる。もちろん、まとめて負かせば言うことなし。日本での騎乗経験もあるO.マーフィー騎手にも奮闘を期待したい。

伏兵デフォー、ヴァルトガイストに要注意

 デフォーは2009年の優勝馬コンデュイットと同じダラカニ産駒。5月末のコロネーションカップでG1初制覇を飾ったばかりだが、当時の相手関係は今回との比較で小粒な面が否めない。昨年の凱旋門賞では先行していたものの大敗。戦績からやや底力に欠ける印象があり、ここは超一流への試金石といったところか。また、サルウィンは昨年のコロネーションCでクラックスマンとアタマ差の2着があるが、近2走はデフォーに連敗している。

 アンソニーヴァンダイクの末脚が生きる展開なら、フランスのヴァルトガイストも侮れないだろう。前走のプリンスオブウェールズステークスではクリスタルオーシャンに完敗の形だったが、悪化した馬場に持ち味を封じられた。日本のクリンチャーを寄せつけなかった昨年のフォワ賞のように、良馬場なら巻き返せる力は十分にある。現地の前売りでデフォーに次ぐ5番手評価ではあるものの、実績的にはこちらが上だろう。

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