連載:「7・27 マリノスvs.マンC」プレビュー

喜田拓也が抱くシティ戦への強い決意「ハナから勉強だけをするつもりはない」

菊地正典
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アンカーやダブルボランチの一角を務める喜田拓也。戦術理解度が高く、リーダーシップも備え、アンジェ・ポステコグルー監督からの信頼も厚い 【早草紀子】

 横浜F・マリノスvs.マンチェスター・シティがいよいよ近づいてきた。この一戦を楽しみにしているファン、サポーターは多いと思うが、最も楽しみにしているのは、他でもないマリノスの選手たちだろう。マリノスのスタイルは本家にどこまで通用するのか、この一戦から何を感じ取れるのか、ひと泡吹かせることはできるのか……。キャプテンであり、チームの心臓、喜田拓也にシティ戦の意気込みを聞いた。

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怯むことなく、普段と同じ感覚でやりたい

――マンチェスター・シティ戦がいよいよ迫ってきました。最近のシティにはどんなイメージを持っていますか?

 ボールを持って、自分たちが主導権を握って試合を進めたいという点では、大きくくくれば、自分たちと似た考えを持ったチームだと思います。崩しの形は本当に豊富だし、クオリティーも間違いなく世界のトップレベル。それは結果に表れているし、見ていても分かるので、そういうところを肌で感じ、自分たちのプラスにしていきたいです。ただ、ハナから勉強とか経験だけをするつもりはないし、自分たちがやってきたことを信じて、勝ちに行くだけだと思っています。

――やることは変わらない。その中でも世界トップレベルの相手に対して特にぶつけたいこと、見せたいことはありますか?

 ボカボカ(ロングボールを)蹴ってくるようなことはしない、ある程度つないでくるだろうということを考えれば、前からプレッシャーをかけに行きたい。そこで怯むんじゃなくて、前からのプレスは継続的に取り組んできたことなので、チャレンジしたいし、ラインの上げ下げも普段と同じ感覚でやりたい。裏を返せば、それに対してどう対応してくるかとか、どう攻略してくるかっていう楽しみもあるかな。どんな手を出してくるか。それは楽しみですね。

――マリノスのようなスタイルのチームはJリーグにそう多くはないので、そういう相手に対してどうするのか、という参考にもなりますね。

 表裏一体だと思うし、紙一重なので、「こういうやり方もあるんだな」とか、「こういうことをされると嫌なんだな」ということも感じられると思います。

――「前からのプレッシャー」を挙げていましたが、これは特に今季、チームとして大きく向上している要素のひとつですね。

 みんなの意識と距離感は重要な要素です。その意識がないと、どうしても身体が動かない、パッと動きに移せない。そこに対する距離感は、さっきの話にも共通しますけど、攻撃にもつながっています。攻撃時にみんながいい距離感でボールを回せていれば、パスが引っかかっても、ガッと奪いに行ける。パスを回すときの距離感が良いから、切り替えやプレスも良くなっているんだと思います。それに、押し込んでいるときも、リスク管理を行っているので、その辺の意識や共通理解みたいなものもあると思います。それがいい形になって出ることが多いのかなと。

――攻撃的なチームであるがゆえにカウンターから失点することも少なくありません。ただ、今年は昨年と比べて、カウンターを受ける回数が減っている印象があります。それは前線からのプレスが機能しているからだと思うのですが、喜田選手はどう考えていますか?
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著者プロフィール

福島県出身。埼玉大学卒業後、サッカーモバイルサイトの編集・ライターを経てサッカー専門新聞『EL GOLAZO』の記者として活動し、横浜FC、浦和レッズ、ジェフユナイテッド市原・千葉、横浜F・マリノスの担当記者を歴任。2020年からはフリーランスとして活動している。著書に『浦和レッズ変革の四年 〜サッカー新聞エルゴラッソ浦和番記者が見たミシャレッズの1442日〜』、『トリコロール新時代』(ともにELGOLAZO BOOKS)がある。

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