武井壮が難しさを感じた車いすテニス それでも「無限の楽しみがある!」

スポーツナビ

2回目の車いすテニス挑戦となった武井壮さん。今回はトップ選手のひとり、眞田卓選手と対戦した 【スポーツナビ】

 2バウンドでの返球が認められている以外は、一般のテニスとほぼ変わらないのが車いすテニス。使用するコート、ネットの高さ、用具も同じで、スピーディーな試合展開、迫力あるショットやラリーの応酬など、まさに“テニスの魅力”を味わえる競技だ。国枝慎吾、上地結衣など世界のトップを争う日本人選手がいるのも特色と言えるだろう。

 スポーツナビは、十種競技の元日本王者でタレントの武井壮さんが、約1年半ぶりに車いすテニスに挑戦するNHKの取材現場に同行。武井さんが改めて感じた競技の難しさや楽しさ、魅力を聞いた。

2つの技術を同時に操る難しさ

 1年半前に体験させてもらったときは、車いすのチェアワークを重点的に教わって、テニスは初心者の状態でプレーして歯痒い思いをしました。今回はまた、トップ選手である眞田(卓)選手が相手ということで、まずは立って行う普通のテニスのレッスンを受けての体験になりました。車いすテニスプレーヤーと車いすの上で勝負するには、まず自由に動く脚で、テニスが出来ないことには話になりませんから。

 それにしても、やはり車椅子でのプレーは難しいです。まずは車いすを思い通りに操作する技術がないとボールを追えないから、テニスの技術が使えない。一方でテニスの正しい技術がないと、車いすを思い通りの場所に動かしてもボールが返せない。車椅子の操作とテニス、2つの技術を同時に駆使しなければいけない。テニスをただ立ってやるよりも、車いすを操作するだけよりも、それぞれ倍の難易度のプレーがあのコートでは行われているんです。

今回は立位でプレーした武井さん。車いすの技術とテニスの技術、その両方を高めていく難しさとやりがいを語っている 【スポーツナビ】

 ですが、2つの難しさがあるということは、その分伸びしろがあるということ。難易度がより高く、さらに幅広いということは、その分だけ自分の能力を伸ばす余地がある。僕がひとつ返球するごとに、車いすを操作するごとに、自分の能力が車いすテニスという競技に向けてプラスにどんどん膨らんでいくのを感じられました。

 その競技で世界のメジャー大会の金メダルを、優勝を、グランドスラムを達成している選手が日本にいるのはすごい財産。世界のトップ選手が「日本にはテニスのトッププレーヤーがいるよね」と言ってくれるレベルにあるのが車椅子テニス。これからこの道を目指す人たちは、存分にある伸びしろを感じて、「車いすを操作する技術」と「テニスをプレーする技術」を同時に味わってほしいです。そこには本当に無限の楽しみがあるだろうなと感じますね。

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