エプソムCは今年も人気馬が中心か? 狙い目は好条件のサンデーサイレンス系

JRA-VANデータラボ

前走クラス別成績

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 前走クラス別では、中央G2組が半数の5勝を挙げるなど上々の成績。また、1600万条件(現3勝クラス)組も、出走数こそ少ないものの複勝率40.0%をマークしている。この1600万条件組で好走した2頭はともに、東京芝1800〜2000mのレースを3番人気(以内)で勝ち上がってきた馬だった。

前走オープン特別組の好走馬

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表6は前走オープン特別組の好走馬8頭。今年の登録馬は、大半がこの前走オープン特別組だ。好走馬の共通点は、前走芝1800m、前走3番人気以内、前走3着以内、そして本競走3番人気以内で、いずれも8頭中7頭が該当する。なお、2015年のモンゴル大統領賞は、例年のメイSに相当するレースのため、オープン特別組の狙いはそのメイS組か、都大路S組に限られる。

前走中央G3組の好走馬

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 続いて、前走中央G3からの好走馬も見てみよう。好走した9頭はすべて前走ハンデ戦に出走していたが、ハンデ56キロ以上だった馬の【1.2.5.22】に対し、55キロ以下は【0.1.0.14】と、昨年2着のハクサンルドルフ以外は圏外に敗退している。また、9頭中8頭は芝2000mからの距離短縮。同じく8頭は馬体重(前走時)480〜490キロ台だった。

前走中央G1・G2からの好走馬

表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 そして表8は、前走中央G1・G2からの好走馬10頭である。こちらはG3組とは一転、10頭中8頭が距離延長馬だった。前走の人気や着順はまちまちだが、人気と着順を合計した値を見ると、10頭中9頭が8〜12の範囲内に収まっており、人気・着順とも下位だったような馬では苦しい。残る1頭、2014年3着のダークシャドウは、2011の本競走優勝実績馬だった。

 最後に、表は割愛するが、好走馬の血統面にも触れておきたい。過去10年の好走馬30頭のうち27頭は、父、または母の父がサンデーサイレンス系。加えて昨年2着のハクサンルドルフ(父アドマイヤムーン、母父Theatrical)は、アドマイヤムーンの母の父がサンデーサイレンスのため、3着以内馬30頭中28頭はサンデーサイレンスの血を持つ馬が占めていた。

結論

 今年のエプソムCは出走馬14頭中9頭がオープン特別組。この組は前走芝1800m戦(メイS、都大路S)で3番人気以内かつ3着以内、そして本競走でも3番人気以内に推されることが好走条件になる(表6)。注目は、都大路Sを2番人気で快勝したソーグリッタリングだ。今回も「3番人気以内」の条件はおそらくクリアできるはず。父はステイゴールドで、最後に触れたサンデーサイレンスの血も持っている。そのステイゴールド産駒が【0.0.1.9】に終わっている点は気がかりだが、10頭すべて5番人気以下(7頭が8番人気以下)と、好走馬の中心を占める上位人気馬(表1、2)がほとんどいなかった。上位人気必至の本馬なら違った結果を期待できそうだ。

 前走中央G3組の登録馬は、新潟大賞典3番人気2着のミッキースワローのみ。新潟大賞典のハンデは57.5キロ、そして馬体重482キロと、表7の条件をクリア。父トーセンホマレボシはサンデーサイレンス系だ。前記ソーグリッタリングとは甲乙つけがたく、今後発表される枠順(表4)や単勝オッズ(表2)も参考にしたい。

 その他では、東京芝2000mの1600万条件を1番人気で勝ってきた(表5本文)ダノンキングダム(父ステイゴールド)も有力候補に挙げられる。また、表1〜2で触れたように穴馬にはあまり大きな期待はかけられないレースだが、表5で好成績だった前走中央G2組が今年はサラキア(父ディープインパクト)1頭しかいないため、いくつかの減点材料には目をつむって押さえてもいいだろう。前走は阪神牝馬Sに出走しており、表8で好走馬の大半を占めた距離延長馬だ。

文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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