「16」で止まった燕の大型連敗 真中前監督が奮起を促す投打のキーマン

ベースボール・タイムズ

「理想の展開」での連敗脱出

連敗が「16」でストップしたヤクルト。真中前監督はチームをどう見ているのだろうか? 【写真は共同】

 長い、長いトンネルから、ようやく抜け出した。東京ヤクルトが6月2日の横浜DeNA戦に勝利して、リーグワーストタイまで伸びた連敗は「16」でストップ。5月12日以来、実に21日ぶりとなる白星を挙げた。

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 試合後、小川淳司監督は「本当にホッとした」と語ったが、選手もファンも、その気持ちは同じ。2015年から3年間にわたってチームを指揮した真中満前監督も、「本当に良かった」と安堵(あんど)の言葉を口にした。

「まずは連敗が止まって本当に良かった。(2日の試合は)理想の展開になった。序盤に先制して、先発投手がしっかりとゲームをつくった。連敗中は先発陣が崩れて、ほとんどクオリティースタート(先発投手が6回以上を投げ、3自責点以内に抑えること)を達成できなかったけれど、今回は原樹理が中4日でよく頑張った」

 先制打の大引啓次を「村上(宗隆)が三振した後でしたし、大きな一打だった。あの一本がチームを勇気付けた」と称賛するとともに、先発して6回2/3を5安打1失点に抑えて3勝目を挙げた原の投球を「ボールのスピードも出ていたし、シュートもスライダーもコーナーにしっかりと投げることができていた。何より、気迫みたいなものを感じた」と、今回の16連敗の始まりを含め、期間中の登板3試合で計16失点を喫していた4年目右腕の力投を振り返った。

崩壊が続いた先発陣と勝負どころでのミス

真中氏は連敗の最大の要因として「先発陣」を挙げた 【写真は共同】

 あらためて今回の大型連敗を振り返ると、16試合で48得点109失点、チーム打率2割1分1厘、チーム防御率6.23と、悲惨な数字が並ぶ。勝つことが難しいとすぐに分かるが、真中氏はその中でも「先発陣」が最も重要だと訴えて、今後への大きな課題に挙げる。

「やっぱり先発ピッチャーですね。先発陣がゲームをつくれなかったというのが一番の原因。そのしわ寄せが中継ぎの登板過多につながった。連敗は止めたけれど、中継ぎの疲労度は抜けていないですし、先発陣の目処も立っていないですから、苦しい戦いは続く。先発ピッチャーが、あと何枚か出てこないと難しい」

 2日の試合では昨季35セーブの石山泰稚が復帰登板。「1点は取られましたけど、彼が帰ってきたことは大きい。もっと締まったゲームができるはず」と期待を寄せるが、それも「先発がしっかりとゲームをつくれれば……」との条件付き。「先発がゲームをつくらないと石山に出番が回ってこないですし、とにかく先発投手がしっかり投げること」と強調する。

 そして精神面。「僕も含めてマスコミも連敗、連敗と取り上げるから選手も意識するし、そこで『何とかしよう!』、『何とかしたい!』と硬くなっていた部分もあった」と真中氏。その“硬さ”は勝負どころでのミスにつながり、「負けるべくして負けたというゲームが続いた」と手厳しい。今後へ向けて「エラーだけじゃなくて、記録に残らないミスも多い。その部分もしっかりと修正していかないと上位には食い込めない」とハッパをかける。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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