森保監督「成長し、東京五輪につなげる」 コパ・アメリカ日本代表メンバー発表会見

スポーツナビ

森保「ラージグループとしてのレベルアップを考えた」

――東京五輪世代の選手が非常に多いですが、レベルの高い大会に選手たちが参加する意義を教えてください。

森保 まずは東京五輪世代の選手を多く選出させていただきました。その点では、私がA代表の監督をし、東京五輪の監督をしており、2つのグループをラージグループとして見ています。今回2つの大会がある中で、どうA代表のラージグループとしてレベルアップさせることができるかを考えて、このメンバーになりました。

 理由はたくさんありますが、若い選手がコパ・アメリカという素晴らしい大会に出ることによって、選手の成長につながり、来年の五輪にもつながると思っています。

 東京五輪でわれわれは金メダルを取りたいと思っています。そのためにはA代表に出られるくらいの力を持った選手がいなければ、目標達成は難しいだろうということ。今回はA代表として1試合でも多く戦う。厳しい中で活動することでプラスになればと思いますし、W杯予選、東京五輪での成果につなげていければと思っています。

――キリンチャレンジカップのメンバーから、川島永嗣、柴崎岳、岡崎慎司をコパ・アメリカに呼んでいるが、彼らに期待することは?

森保 海外のチームでプレーする中、クラブの意向としては休んだ方がいいという中でも、彼らは意思をもってこの大会に参加したいということをクラブに伝えてもらい参加してくれます。感謝したいと思います。

 プロサッカー選手としてキャリアを積んでいる彼らが、コパ・アメリカの日本代表として活動してくれることで、まずは1人の選手として、戦力としていいコンディションでプレーをし、チームを引っ張っていってほしいと思います。それと同時に、彼らの経験を若い選手たちに伝えていってもらえればと思っています。

――関塚さんに質問。クラブへの感謝の言葉がありましたが、この状況(=拘束力がない中でのA代表招集)は以前にもあった。この問題は、長いスパンで考えて解決できないのでしょうか?

関塚 インターナショナルマッチウィーク以外の点に関しては、今後はもっと長期的に調整をしていく可能性があると思っています。

――国内組の中でACL(AFCチャンピオンズリーグ)の決勝トーナメントに進んでいるチームもあるが、今回は3名選出されている。JFAも連携してACLを戦っているが、その点に関してはどのように思っているのか?

関塚 クラブで世界の強豪と戦うことも非常に大事だと思っています。4月、5月、6月のカレンダーを見ながらの選考をクラブと話をしながら、この決定に至りました。そこは、本当にクラブとわれわれの話しの中で詰めていったというところが正直なところです。森保監督もお話しされていたように、クラブとしては戦力として考えている中から人選をしている。われわれがクラブにお願いした戦力に、各クラブに応えていただいたという経緯です。

森保「GL突破を目標に戦う」

――関塚さんに質問。長期的に調整する必要があると答えていたが、4年後に向けて具体的にはどのように調整していこうと考えているのか? また森保監督には、若い選手がいて、何度も成長と口にされているが、コパ・アメリカを戦う上でのチームのテーマは?

関塚 長期的な視野で実際にはやっています。ただ、もっと必要な場面もあると思います。震災の時(2011年/東日本大震災)はコパ・アメリカの招待に断念し、今回は参加。いろいろな課題は出てきていますが、ここまでの取り組みも踏まえて検証していきたいと思っています。

 僕自身も(ロンドン五輪代表監督時に体験した)五輪予選から本大会で起こったこと、それを踏まえてリオ五輪などに取り組んできたという経緯もあります。この大会でこれだけ各クラブや大学の協力を得ているので、しっかりと戦っていきたい。そして、大会が終わった時に精査して、お伝えできるところはお伝えしていきたいと思います。

森保 一言でいえば成長ということだと思います。ただ、コパ・アメリカに参加して経験(を積む)だけだとは思っていません。チームとして勝ちにこだわる、一試合一試合勝ちにこだわることは持っていきたい。選手にはピッチに立ったら11対11で攻守において主導権を握っていくということを伝えながら大会に臨んでいきたいと思っています。

――コパ・アメリカに前回出場した99年の招待時は、ボリビアに引き分けての勝ち点1だった。今回はどのように勝利にこだわっていくのか?

森保 グループリーグ(GL)を突破するには勝ち点がどれだけ必要か、というのがありますが、1試合でも多く戦いたい。まずは、GL突破を目標に戦いたいと思っています。

――各クラブが若い選手の派遣に協力したのは、東京五輪が控えているという点も大きかったのか?(六川亨/フリーランス)

関塚 このメンバーは森保監督以下のスタッフが兼任でやられている中で、拘束力のない大会での派遣に関してA代表として戦いますが、来年のそこ(五輪)への戦力というご理解は大きかったのかなというふうに思っています。

――チリ、ウルグアイ、エクアドルと戦いますが、森保監督が抱く本気の南米のイメージは? また選手たちにどのように戦ってほしいとイメージしているのか?

森保 世界のトップトップの選手が多くいる中で、すべてのレベルが高い。技術や判断力に長けている印象です。そして体の使い方が非常にうまく、われわれが学び、培っていかなければいけない部分はたくさんあると思います。ただ、日本代表の選手も個々に特徴が違うので、それぞれの改善点を(見極めて)選手に伝えたいですし、選手も感じながら臨んで、次の成長に生かしてほしいと思っています。

※質問者に関しては、掲載許諾の確認が取れた方のみ明記しています。記名のない方は確認が取れていない方ですので、拒否されている訳ではありません。

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