葵SはスプリントG1へ続く道!? ダービー前日の重賞傾向をデータ分析

JRA-VANデータラボ

昨年重賞に格上げとなったレース

 今週は日曜日に大一番の日本ダービーが控えているが、先に土曜日の葵Sにも注目してみたい。昨年重賞に格上げとなったレースだが、2010年から2017年までは同じ京都芝1200mの条件で、オープン特別として行われていた。データとしては十分そろっているので、同レースの傾向を分析していくことにする。データの集計・分析はJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

2010年以降の葵S好走馬

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 まずは10年以降に行われた、過去9回の葵S好走馬を見ていくことにする(表1参照)。重賞に昇格した昨年は9番人気の伏兵ゴールドクイーンが逃げ切り勝ちを果たし、2着はラブカンプーとトゥラヴェスーラの同着という結果だった。勝ち馬は現在ダート戦線に進んでいるが、ラブカンプーはその後、サマースプリントシリーズで古馬を相手に善戦を続け、秋にはスプリンターズSでも2着と好走を果たした。

 それ以前の好走馬を見ると、ナックビーナスやロードカナロア、カレンチャンといった名前がある。重賞に昇格したことで出走馬のレベルが上がったわけでなく、オープン特別時代から素質ある短距離馬が出走し、好走していたというわけだ。後のスプリントG1につながる可能性があるレースとして、今後も注目していきたい。

 好走馬の内訳をあらためて見ると、牝馬が多い。3着以内に好走した27頭中、15頭が牝馬だ。また、近年は逃げ馬の好走が目立つ。昨年1着のゴールドクイーン、17年1着のアリンナ、16年2着のラズールリッキー、14年12着のシゲルカガが連対している。各年のレースラップを調べてみると、明らかに違いがあるものの、結果的には逃げ馬が残っている。

 例えば16年はレースの前半3ハロンが34秒3で、後半3ハロンが33秒6というラップだった。後半3ハロンの方が0.7秒も速い、上がりの競馬。芝1200mの重賞としてはかなり遅いペースだった。一方、17年の前後半3ハロンを比較すると、後半の方が0.7秒遅かった。16年とは一転し、速いペースとなったが、それでも逃げ馬が勝った。ペースはあれこれ考えず、ハナを切りそうな馬は常にマークしておきたいところだ。

葵S出走馬の前走クラス別成績(2010年以降)

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 次は葵S出走馬の前走クラス別成績を調べた(表2参照)。G3とG2、G1を前走重賞組として1つにまとめて、オープン特別組や500万クラス組と比較して考えてみることにする。勝率や連対率、複勝率で見ると、オープン特別組の成績が最もいい。回収率の面でも単勝が91%、複勝が164%とまずまずの数字だ。重賞組と500万組の比較では、勝率・連対率、複勝率ではあまり差がない。しかし、回収率では大きな差があり、重賞組の方が明らかに好配当を見込める。

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