桜花賞馬不在のオークスはどうなる? 過去データから馬券の狙いどころを分析

JRA-VANデータラボ

今年は桜花賞馬のグランアレグリアが不在

 ヴィクトリアマイルで1分30秒5という驚異のレコードが飛び出した東京競馬は今週、牝馬クラシック2冠目のオークスが行われる。牝馬限定戦としては最長の芝2400mで施行され、桜花賞から800mも距離が延びるところにこのレースの難しさと面白さがある。今年は桜花賞馬のグランアレグリアが不在。今回は2009年以降・過去10年のデータならびに2000年以降で桜花賞馬不在だったオークス計4回の結果から馬券での狙いどころを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

オークスの人気別成績(過去10年)

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 まず表1は過去10年の人気別成績。1番人気馬は昨年のアーモンドアイら近3年続けて勝利し、最多の5勝をあげている。連対率70%・複勝率80%と高く、複勝回収率でも100%を超えている。2番人気馬は14年ヌーヴォレコルトの1勝のみだが、複勝率は1番人気馬に次ぐ70%。こちらも複勝回収率は100%を超えている。これら1・2番人気馬で過去10年の3着以内馬30頭中、半数の15頭を占めている

 以下、3番人気馬が2勝、5・7・9番人気馬が1勝ずつ。9番人気馬の勝利は13年メイショウマンボ。2着馬は8番人気以内、3着馬も9番人気以内にすべておさまっており、10番人気以下の激走はなかった。特に近5年の3着以内馬はすべて上位6番人気以内で、堅めの決着が続いている

オークスの脚質別・上がり3F順位別成績(過去10年)

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表2はオークスの脚質別と上がり3ハロン順位別成績。脚質別では勝ち馬11頭(10年はアパパネとサンテミリオンが1着同着)中10頭は中団・後方からの差し、追い込み馬が占めている。特に中団からの差し馬は昨年のアーモンドアイら過半数の7勝。逆に逃げ、先行馬は一昨年ソウルスターリングの1勝のみで、3着以内数も少ない。ほとんどの出走馬にとって未体験の芝2400mという距離では、道中で脚を溜めた差し・追い込み組の方が好走しやすいのだろう。

 上がり3ハロン順位別では、上がり1位の馬が昨年のアーモンドアイら7勝。勝率・連対率・複勝率いずれも非常に高い。馬券圏外だったのは一昨年ディアドラの4着だけで、「どの馬が上がり最速をマークできるか」と探すことがオークス攻略の大きなポイントだ。上がり2位は好走率が下がるものの、上がり3位は連対率・複勝率ともに高い。上がり上位の脚を使える馬が好走しやすい一戦だ。

オークスのキャリア別成績(過去10年)

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表3はキャリア別成績。黄色で強調した4戦・5戦の馬がそれぞれ4勝をあげ、複勝率30.3%のトップタイで並んでいる。近5年で見ても勝ち馬はすべて4戦・5戦の馬から出ており、3着以内馬は計13頭と大半を占めている。他では6戦の馬が2勝、8戦の馬が1勝。3戦の馬は勝ち星こそないものの、複勝率は4・5戦の馬に次ぐ20%と高い。

オークスの前走レース別成績(過去10年)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4は前走レース別成績。出走数が抜けて多い桜花賞組が昨年のアーモンドアイら大半の8勝をあげている。昨年は上位3着までを独占し、毎年1頭は3着以内に入っている

 桜花賞組に勝ち星で続くのが忘れな草賞組で11年エリンコート、15年ミッキークイーンと2勝をあげている。エリンコートは前走を含めて2連勝中。ミッキークイーンは2走前のクイーンCでタイム差なしの2着に入り、前走を勝ってオークスへと臨んでいた。勢いがある忘れな草賞勝ち馬の一発には注意しておきたい。

 トライアルのフローラS組は10年サンテミリオンの1勝のみだが、2・3着が4回ずつと多く、複勝率では桜花賞組に迫っている。なお、スイートピーS組からは3着以内馬が出ておらず、不振傾向にある。

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