GI馬2頭が再戦、NHKマイルCデータ予想 桜花賞馬vs.2歳王者 勝つのはどっち?

JRA-VANデータラボ

例年以上に盛り上がりそうな3歳マイル王者決定戦

 今年のNHKマイルCで注目を集めるのが、桜花賞を快勝したグランアレグリア。加えて、この桜の女王を朝日杯FSで破った実績を持つアドマイヤマーズも参戦を予定する。他にも重賞勝ち馬が多数エントリーしており、例年以上に盛り上がりそうな3歳マイル王者決定戦を、過去10年のデータから展望してみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

人気別成績

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表1は人気別成績。なかなか興味深い傾向が出ているので順に見ていきたい。1番人気は【5.0.0.5】と半分は勝ち切るが、残りの半分は3着もないという極端な成績を残している。2番人気も複勝率50.0%と2頭に1頭は3着以内に入る計算で、3〜6番人気もコンスタントに馬券になっている。ただ、それ以上に注目すべきは、10番人気以下が8頭も馬券になっていること。勝ち馬も2頭出ており、人気薄まで手広くフォローする必要がありそうだ。

過去10年の1番人気敗退馬

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表2では、過去10年に1番人気で敗れた馬を確認しておきたい。該当するのは5頭。そのうちの3頭、13年のエーシントップ、17年のカラクレナイ、18年のタワーオブロンドンは芝1400mで重賞を含む2勝以上を挙げていた実績が共通する。表9の項でも後述するが、芝1400mの実績がある馬は苦戦の傾向があり、それは本命馬であっても逃れられないようだ。そのほか、15年のグランシルクは過去10年の1番人気で唯一の重賞未勝利馬(出走時)で、09年のブレイクランアウトは中12週の休み明けが響いたか。ただし、前回の当コラムでも確認した通り、現在では休み明けの意味合いがだいぶ変わっており、一概にマイナスとは言えなくなっていることは指摘しておく。なお、ブレイクランアウトとグランシルクは近親(ブレイクランアウトの半姉の仔がグランシルク)にあたり、この2頭に関しては血統的な相性の悪さもあったのかもしれない。

過去10年の10番人気以下好走馬

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表3は、過去10年に10番人気以下から1〜3着に入った馬をまとめたもので、前走と前々走の人気と着順も付記している。これを見ると激走パターンには大きく分けてふたつあるようだ。ひとつは、近2走のどちらかでオープンのレースを勝っていたものの、それが芝1200mやダートの交流重賞だったために10番人気以下に甘んじたパターン。09年1着のジョーカプチーノ、同2着のグランプリエンゼル、14年2着のタガノブルグ、17年2着のリエノテソーロが該当する。もちろん、16年3着のレインボーラインのように、2走前に芝1600m重賞を勝っていたのに人気薄という馬にも注意すべきだろう。

 もうひとつは、近2走のうちに芝1800m以上の重賞を使っていたパターンで、12年3着のクラレント、13年1着のマイネルホウホウ、14年3着のキングズオブザサンが該当する。こちらの場合はそのレースで大敗していても巻き返しており、近2走で皐月賞、弥生賞、スプリングS、毎日杯などを使っていた馬も侮れない存在となる。

前走距離別成績

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4は前走距離別成績。これを見ると、好走率が高いのは前走より距離短縮で出走する馬だが、1着は前走でも同じ1600mを使っていた馬から出ることが多いことがわかる。一方、前走より距離延長となる馬はかなりの苦戦。ただし、複勝回収率は高く、来たときには穴をあけているので一応の警戒は必要か。

距離延長馬・前走着順別成績

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 前項で距離延長馬は苦戦と述べたが、表5の通り、前走1着なら可能性はあるようだ。それでも好走率が高いとまでは言えないものの、複勝回収率230%は無視できず、2、3着に来ることは想定してもいいだろう。

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