父ステイゴールドの血が海外GIで覚醒 快挙ウインブライト12月香港Cにも期待

JRA-VAN

日本馬ウインブライトが香港春の大一番・クイーンエリザベス2世Cを制しGI初制覇 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 昨年は海外G1優勝のなかった日本馬だったが、ドバイでのアーモンドアイに続いて、クイーンエリザベス2世C(QE2C)でウインブライトが強烈な二の矢を放った。

 路盤に工夫があり水はけの良さで知られるシャティン競馬場だが、前日のスコールと、レース当日の朝方に降った雨は、湿気を帯びた空気となって地上に残った。馬場は普段より幾分柔らかく、欧州で言う脚に優しい最高の馬場。午後の陽射しの助けもあって香港ジョッキークラブ(HKJC)の発表はGood(良馬場)となった。

チェアマンズスプリントプライズはモレイラ騎乗のビートザクロックが人気に応えてV 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 香港チャンピオンズデーの最初の重賞となったチェアマンズスプリントプライズ(芝1200m)で、ビートザクロックが記録した勝ちタイムは1分8秒26。これは昨年のアイヴィクトリーの1分8秒63を上回った。武豊騎手が騎乗したナックビーナスは勝ち馬から4馬身1/2差の6着に終わった。

ぽっかり現れた空間を突き抜けた

 日本時間の午後5時40分発走を定刻としたQE2Cは日本馬3頭、英国のエミネントを含む13頭によって争われた。

 地元のグロリアスフォーエバーとタイムワープ、それにエミネントなど単騎先頭を理想とする馬たちが揃って先行争いの激化が予想されたが、ゲートが開くとエミネントに行き脚がつかず、7番枠のグロリアスフォーエバーが先頭。スタートでフローレとぶつかって2番手となったタイムワープを追いかけてパキスタンスターが3番手でプレッシャーをかけ、これに4歳馬のフローレとワイククも先行策を取ったことで、最初の800m通過は48秒03と予想された通りのハイペースとなった。

 ややふらついたスタートからすぐに立て直して最初のコーナーに飛び込んだウインブライトの位置取りは向正面の800m通過が先頭から4馬身半遅れの6番手。3コーナーにさしかかるあたりの1200m通過は弟のグロリアスフォーエバーに変わって先頭を奪ったタイムワープから3馬身1/4馬身差の5番手、直線に入ってからゴールまで残り400mでもタイムワープから2馬身半差の6番手という我慢のポジションとなった。香港では日本のように上がり3ハロンタイムの計測がなく、あくまでも目視による推定タイムだが、松岡騎手のウインブライトの上がりは34秒8、9番手から馬場の外目をついて猛追したエグザルタントは、これを上回る34秒6程度の脚を使っている。

 ゴールでの3/4馬身は残り300mで、タイムワープ、パキスタンスター、グロリアスフォーエバーの3頭が併せ馬のようにインに寄ったことによってぽっかりと現れた空間を突き抜けたウインブライトと、レース序盤に流れに乗るまでに時間を要して12番手から向正面でまくって直線も外を通らざるをえなかったエグザルタントとの差だった。リスグラシューは道中で多馬と接触する不利もあって、エグザルタントに1/4馬身の3着とまたも香港で惜しい星を落とした。

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