「中国に勝てない何かがあると思った」
早田/伊藤組、準Vより敗戦が重く

 2019年卓球・世界選手権個人戦(21〜28日、ブダペスト)の大トリを飾る女子ダブルス決勝に登場した早田ひな(日本生命)/伊藤美誠(スターツSC)。同世代にあたる中国の孫穎莎/王曼イクとの対戦は、ゲームをリードしながら2−4で惜しくも逆転負け。世界一には届かなかった。

2ゲーム目までは日本ペアが圧倒も…

世界選手権・女子ダブルス決勝、日本の早田/伊藤組は中国ペア相手に先手を取るが、惜しくも逆転負けを喫した
世界選手権・女子ダブルス決勝、日本の早田/伊藤組は中国ペア相手に先手を取るが、惜しくも逆転負けを喫した【写真:田村翔/アフロスポーツ】

 先手を奪ったのは日本ペアだった。1ゲーム目、レシーブでは短く止めるストップを軸に、中国ペアの攻めをかわしながら随所で伊藤のバックフリックがさく裂。ラリーでもフォアストレートへのコース取りを有効に使い、11−8で日本ペアが最初のゲームを奪った。続く2ゲーム目の流れも日本ペア。中国ペアの攻撃もしつこい守りでミスを誘い、3−0、7−2、9−3と一気にリードを広げ11−3で圧倒。1球ごとに選手が入れ替わって打球するダブルスにおいて、動きが重なりやすい右利き同士の中国ペアに対し、同じコースを連続して突くパターンも有効だった。


 しかし、3ゲーム目に入ると中国ペアも徐々にアジャストしてくる。サービス・レシーブの読み合いが続く展開で終盤までもつれ、中国ペアが8−7とリードしていた場面、タイムアウト明けの1本をきっちり奪った中国ペアが1ゲームを取り返した。第4ゲームは中国ペアが完璧にペースを握り、それまでミスの目立ったチキータが決まり出し、中国ペアが打ち込む展開が増えていく。序盤は効果を発揮していた日本ペアのチキータ、逆チキータに対しても「やられるくらいなら、やらせればいい」と言わんばかりに、どっしりと待ち構えてサービス・レシーブで主導権を渡さず、11−3で中国ペアが4ゲーム目を奪取。ゲームカウントをタイに戻した。

残ったのは充実よりも悔しさ

ゲームカウント2−2で迎えた第5ゲーム、勝負どころで起こった”疑惑の判定”。日本ペアは抗議を行うも、判定は覆らず
ゲームカウント2−2で迎えた第5ゲーム、勝負どころで起こった”疑惑の判定”。日本ペアは抗議を行うも、判定は覆らず【写真:田村翔/アフロスポーツ】

 試合の流れを大きく左右する5ゲーム目、日本ペアも食らいつく。中国ペアの攻めに対してもコース、球質を変えて対応し、9−7とリードを奪って終盤へ。9−9まで追いつかれるも、早田のサービスに対し、孫穎莎のチキータがネットを弾いてオーバーミス。これで日本ペアのゲームポイント、と思われたが審判の判定はレット(サービスがネットにかかったためやり直し)。早田/伊藤は「ネットには触れていない」と抗議するも覆らず。日本はタイムアウトで仕切り直そうとするも、10−12でこのゲームを落として中国ペアがVに王手をかけた。


 最終ゲームは序盤から中国ペアがリードする展開で、日本ペアも何とか食らいつくも最後は早田のドライブがネットにかかりゲームセット。早田/伊藤組はスタートダッシュを決めながらも、無念の逆転負けを喫した。


 前回大会の3位を上回る成績にも、表彰台で笑顔はなかった早田/伊藤組。残ったのは充実よりも悔しさ。第1シードとして臨んだ今大会、格下相手に取りこぼすことなく決勝まで進んだが、「勝たなきゃいけないところまでは来られた。でも中国には勝てなかった。中国選手に勝てない何かがあると思った」(伊藤)と中国の壁の高さを口にした。


「48年ぶりの2位」という数字に注目が集まるが、その数字以上に決勝の「2−4」というスコア、1本1本が2人の脳裏には強く残ったはず。今大会、勝利しても喜びを大きく表現することのなかった2人。それは目指していたのが優勝だけだという意志の現れだった。だからこそ準優勝という成績以上に、決勝の敗戦は重い。

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