青葉賞で軽視されやすい馬のタイプとは? 前走中山組の“変身”が穴を開ける
サートゥルナーリアを打破できる新星は現れるか
過去10年の青葉賞好走馬
表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
例えば、アザレア賞だ。近年は阪神芝2400mで行われている500万特別で、18年3着のスーパーフェザーや17年1着のアドミラブル、16年1着のヴァンキッシュランが前走で同レースを勝っていた。ゆりかもめ賞やゆきやなぎ賞といった別の芝2400m戦からも好走馬はよく出ている。やはり今回と同じ2400mの距離を経験し、好走しているという点は大きな強みとなる。それらのレースでいい勝ち方をしていた馬は、青葉賞でも上位人気になりやすい傾向があるものの、3着以内に入ってくる可能性は高く、素直に評価した方がいいだろう。
また、中京芝2200mで行われる大寒桜賞はアザレア賞と並んで、有力なステップレースとなっている。13年から17年にかけ、5年連続で勝ち馬が青葉賞で好走を果たした。17年のアドマイヤウイナーは8番人気、16年のレッドエルディストは5番人気での好走であり、アザレア賞よりも配当的な妙味がある。
それ以上に伏兵馬として存在感を示しているのが前走中山芝2200m組(500万クラス)だ。水仙賞や山吹賞が該当するのだが、ヒラボクディープは7番人気、アポロソニックは9番人気、エタンダールは10番人気で激走した。山吹賞組に至っては敗れていたショウナンラグーンやステラウインドも馬券になっている。
どうやら同じ500万クラスでも中山芝2200mでのレース結果は、青葉賞では評価されにくい傾向にあるようだ。無論、すべての馬が人気薄というわけではないが、案外と人気にならず、好走した時に大きな配当になりやすい。また、中山芝2200m組は脚を余して負けたようなタイプでも、東京に替わって末脚が生きるというケースも出てくるようだ。
そして、もう一つ、人気が下がる要因があるような気がする。それは過去に別の重賞で4着以下に敗れているケースだ。表1の備考に示したように、過去にホープフルSや京成杯といった芝中距離重賞で負けていた馬がそこそこいるのだ。1度の敗戦(特に中山の重賞)ぐらいでは、軽視しない方がいいだろう。
青葉賞で好走した前走オープンクラス組(過去10年)
表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
拾える一つの目安としては、前走の上がり3ハロンが優秀かどうか。例えば、18年1着のゴーフォザサミットは、前走スプリングSで7着だったが、上がり3ハロンはメンバー中2位だった。このように小回りの中山組は、コース替わりでパフォーマンスを上げてくる可能性を考えたい。
文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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