前走人気と着順データから皐月賞を予想 Vに最も近いのはアドマイヤマーズ!
前走1〜2番人気で連対+皐月賞の単勝オッズ40倍以下の馬の成績
表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
そして前走からのレース間隔では、中9週以上開いていた馬が【0.0.3.4】と連対なし。皐月賞出走全馬でみても、中9週以上は【0.0.4.16】に終わっている。「別路線組」が4連勝した2014〜17年の間でも、16年には1番人気・サトノダイヤモンドが中9週で3着に敗退。翌17年には、順調さを欠いていたとはいえ、後のダービー馬・レイデオロがホープフルS以来の休養明けで5着に敗れた。ここ2年の桜花賞の結果を受ければ、このデータは今後覆される可能性もありそうだが、一方で牝馬と牡馬では違うという考え方もできる。いずれにせよ、現時点の「皐月賞過去10年」では、連対まで届いていないのが中9週以上の馬だ。
前走1〜2番人気で3着以下→皐月賞で3着以内に好走
表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走3番人気以下で連対→皐月賞で3着以内に好走
表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走3番人気以下で3着以下→皐月賞で3着以内に好走
表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
結論
ただ、1着の候補となると「前走1800m戦」かつ「中8週以内」(表5)。ヴェロックスは前走が2000m戦、サートゥルナーリアはそれに加えて休養明けという点で、やや評価が下がる。また、優勝馬10頭はすべて「前走1着」または「複勝率100%」で駒を進めてきており(表3本文)、ファンタジスト(2走前・朝日杯FS4着、前走・スプリングS2着)はこれを満たしていない。よって、4頭の中で優勝にもっとも近いのはアドマイヤマーズだ。
ほかに優勝馬を輩出しているのは、表7の「前走3番人気以下で連対」した馬。今年の登録馬のうち、表7の好走条件「キャリア3〜4戦」「前走がオープン・重賞初出走」に該当するのはダノンキングリーだ。前走の共同通信杯では、本馬の斤量が1キロ軽かったとはいえアドマイヤマーズに1馬身1/4の差をつけて優勝。同斤量になっても、連勝を伸ばす可能性は十分にある。
その他の組は2〜3着候補。表6の「前走1〜2番人気で3着以下」からは、2歳重賞2勝で弥生賞(4着)が年明け初戦だったニシノデイジー。そして表8「前走3番人気以下で3着以下」の組では、デビュー勝ちを飾り、続く京都2歳Sで2着に好走したブレイキングドーンが、前走・弥生賞を4番人気で3着にまとめて好走条件をクリアする。ここ3年は馬連6000円以上、そして3連単は一昨年が106万馬券、昨年が37万馬券と波乱が続いているだけに、穴を狙うならこの2頭や、前記各馬の中では人気を落としそうなファンタジストを絡めた馬券がおもしろそうだ。
文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。