前走人気と着順データから皐月賞を予想 Vに最も近いのはアドマイヤマーズ!

JRA-VANデータラボ

前走1〜2番人気で連対+皐月賞の単勝オッズ40倍以下の馬の成績

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 その「前走1〜2番人気の連対馬」かつ「皐月賞の単勝オッズ40倍以下」の馬について、さらに振り分けるデータを探ると、前走の距離とレース間隔が挙げられる。前走で1800m戦に出走していた馬は7勝、勝率36.8%を記録するのに対し、2000m戦出走馬は1勝で勝率4.8%止まり。連対率や複勝率では差が詰まるものの、1着候補には1800m戦出走馬を据えたい。

 そして前走からのレース間隔では、中9週以上開いていた馬が【0.0.3.4】と連対なし。皐月賞出走全馬でみても、中9週以上は【0.0.4.16】に終わっている。「別路線組」が4連勝した2014〜17年の間でも、16年には1番人気・サトノダイヤモンドが中9週で3着に敗退。翌17年には、順調さを欠いていたとはいえ、後のダービー馬・レイデオロがホープフルS以来の休養明けで5着に敗れた。ここ2年の桜花賞の結果を受ければ、このデータは今後覆される可能性もありそうだが、一方で牝馬と牡馬では違うという考え方もできる。いずれにせよ、現時点の「皐月賞過去10年」では、連対まで届いていないのが中9週以上の馬だ。

前走1〜2番人気で3着以下→皐月賞で3着以内に好走

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5に該当しなかった皐月賞3着以内馬も見ておこう。まず表6は、前走で1〜2番人気に推されながら3着以下に敗れていた馬である。4頭すべてに共通するのは、2歳時に重賞勝ちがあり、前走が年明け初戦だったことだ。賞金面で皐月賞出走をほぼ確定させており、前走では人気を裏切ったものの、本番ではしっかり馬券に絡んできたというパターンだ。

前走3番人気以下で連対→皐月賞で3着以内に好走

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 続いて表7は、前走3番人気以下で連対し、皐月賞で好走した馬。表5以外から優勝馬を出しているのはこの組だけで、過去3年で2勝を挙げている。この4頭に共通するのは、キャリア3〜4戦だったこと。また、表には記していないが、4頭すべて前走がオープン・重賞初出走だった。キャリアが浅く、前走の段階では秘めた実力に人気や実績が追いついていなかった形だ。なお皐月賞全体では、キャリア5戦以上の馬も2010年や14年に1〜3着を独占するなど、3着以内馬の半数近くを占めている。

前走3番人気以下で3着以下→皐月賞で3着以内に好走

表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に表8は、前走3番人気以下かつ3着以下に敗れながら、皐月賞で馬券に絡んだ2頭。こちらは近2年連続で好走しており、侮れない存在だ。この2頭は、ともに前走が弥生賞5番人気で3〜4着。該当馬が少ないため、少し広めに「弥生賞3〜5番人気で掲示板を確保」くらいに考えればいいだろうか。また、2頭とも新馬勝ちを収め、2戦目は重賞・オープン特別で2、1着。その後は重賞で連対までは届かずとも、ダンビュライトの朝日杯FS(13着)以外は大きく崩れていなかった。

結論

 表3〜4にあったように、皐月賞は「前走1〜2番人気で1〜2着」だった馬が好成績を残している。今年の登録馬では6頭が該当するが、このうち、前走で芝2200mのすみれSに出走していたサトノルークスとアドマイヤジャスタは、表1や表5から推奨しづらい。残る4頭は、アドマイヤマーズヴェロックスサートゥルナーリア、そしてファンタジスト。いずれも表4本文で触れた「単勝オッズ40倍以下」には該当しそうで、有力な馬券候補になる。

 ただ、1着の候補となると「前走1800m戦」かつ「中8週以内」(表5)。ヴェロックスは前走が2000m戦、サートゥルナーリアはそれに加えて休養明けという点で、やや評価が下がる。また、優勝馬10頭はすべて「前走1着」または「複勝率100%」で駒を進めてきており(表3本文)、ファンタジスト(2走前・朝日杯FS4着、前走・スプリングS2着)はこれを満たしていない。よって、4頭の中で優勝にもっとも近いのはアドマイヤマーズだ。

 ほかに優勝馬を輩出しているのは、表7の「前走3番人気以下で連対」した馬。今年の登録馬のうち、表7の好走条件「キャリア3〜4戦」「前走がオープン・重賞初出走」に該当するのはダノンキングリーだ。前走の共同通信杯では、本馬の斤量が1キロ軽かったとはいえアドマイヤマーズに1馬身1/4の差をつけて優勝。同斤量になっても、連勝を伸ばす可能性は十分にある。

 その他の組は2〜3着候補。表6の「前走1〜2番人気で3着以下」からは、2歳重賞2勝で弥生賞(4着)が年明け初戦だったニシノデイジー。そして表8「前走3番人気以下で3着以下」の組では、デビュー勝ちを飾り、続く京都2歳Sで2着に好走したブレイキングドーンが、前走・弥生賞を4番人気で3着にまとめて好走条件をクリアする。ここ3年は馬連6000円以上、そして3連単は一昨年が106万馬券、昨年が37万馬券と波乱が続いているだけに、穴を狙うならこの2頭や、前記各馬の中では人気を落としそうなファンタジストを絡めた馬券がおもしろそうだ。

文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

2/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント