豪州伝統GIドンカスターマイルは超難解戦 日本馬クルーガーにも馬券攻略の糸口

JRA-VAN

データ的には13年優勝馬と条件そっくり?

オーストラリア競馬伝統のマイルハンデ戦、ドンカスターマイルの日本からクルーガーが挑戦 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 豪州競馬の祭典メルボルンCでも知られるように、20頭立てに及ぶ多頭数で争われるハンデ戦の行方を占うことは困難を極める。今年のドンカスターマイル(日本時間4月6日(土)15時15分発走)は一段と混戦の様相を呈しており、ここまでG3を2勝しているだけの5歳牝馬エクスタインのように、相手関係が例年レベルにないと見て目標を変更してきた陣営もあるほどだ。とはいえ、こうした状況は重賞1勝で3年余り白星から遠ざかっているクルーガーにとって好機にもなる。

 過去20年のドンカスターマイル優勝馬について「ハンデ」「枠順」「現地単勝オッズ」の3要素を分類すると、大まかながら「ハンデ55kg以上、枠番10から16、単勝10倍以下」という傾向が浮かび上がる。

 クルーガーは「ハンデ53kg、枠番4、現地前売りで単勝20倍前後」と、上記モデルに一致する要素がなく、情勢は不利に見える。ただ、ハンデ53kgの優勝馬は過去20年で3頭存在し、とりわけ2013年のセイクリッドフォールズは枠番4、単勝オッズ19倍と、今回のクルーガーと極めて近い条件で勝利をさらっている。しかも、その鞍上はT.ベリー騎手。チャンスの糸口も見える。当時は現地発表で「Heavy10」という最も悪化した馬場状態だったが、クルーガーにも不良馬場の富士S(2017年)で3着という実績があり、レース当日が道悪になればチャンスも増すだろう。

優勝馬像に最も近いのはゴドルフィン所有のアリーゼー

 現地前売りで人気を集めているブルータルとフィフティースターズは、前者が枠番21、後者が大外の枠番24を引いた。過去20年で17番より外から優勝馬は誕生しておらず、この枠順は大きなマイナスと見て間違いない。上位勢ではトップハンデ58kgのハートネルが枠番7で勝機を残した。過去20年で枠番4から8は6頭が優勝し、古い記録になるものの7番は2000年と2002年に計2勝。隣の枠番8からは2017年にイッツサムワットが勝っている。

ゴドルフィンの4歳牝馬アリーゼーが過去の優勝馬像に最も近いか 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 また、前述の優勝馬像に最も近いのはハートネルと同じゴドルフィン所有のアリーゼーだ。現地前売りでは1番人気をうかがう位置につけているうえ、枠番12もドンピシャリ。4歳牝馬でハンデ56.5kgの評価は、2016年優勝時のウィンクスと同様で非常に高い。性別によるアローワンスを考慮すると、58kgのハートネルを超えて実質的に最もハンデが見込まれたとみなすこともできる。

現地オッズの穴ならドリームフォース、ランドオブプレンティ

 アリーゼーと同じ4歳牝馬のアンフォーゴトゥンは枠馬18をいかに克服するか。2015年のリアルインパクトは20頭立ての枠番18から2着だった。一方、ドンカスターハンデは内すぎる枠番も吉兆とはいえず、2番と3番は20年以上も優勝馬を輩出していない。3歳牝馬ファンダメンタリストはアンフォーゴトゥンと現地人気を争う関係だが、枠番2でハンデ49kgもデータから漏れる印象だ。

 これら以外で注目するなら、ドンカスターマイルの最重要前哨戦であるジョージライダーS組だろう。2着ブルータルは前述の通りとして、3着のドリームフォースは枠番13でハンデ53.5kg、6着ランドオブプレンティは枠番9でハンデ55kgと、枠番とハンデは好走馬の条件に近似。ドリームフォースは昨年11月以降にG3レースを2勝している上がり馬、ランドオブプレンティは昨年10月にG1初制覇を飾り、2か月前にもG1で2着がある実績馬だ。それでいながら現地の前売り人気はクルーガーと大差ない。
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