今週末の桜花賞と阪神牝馬Sを予習 「阪神芝1600mの牝馬限定戦」を分析!

JRA-VANデータラボ

牝馬のみで争われるレースには特有の傾向が存在する?

 今週末は3つの重賞が組まれているが、そのうち土曜のG2・阪神牝馬Sと日曜のG1・桜花賞は「阪神芝1600mの牝馬限定戦」という条件で共通する。牝馬のみで争われるレースには特有の傾向が存在しても不思議ではなく、今回はこの条件についてのデータを考察してみたい。集計期間は2010年3月6日〜2019年3月9日で、阪神芝1600mの牝馬限定戦における全体のデータと、上級戦(1600万下とオープン)に限ったデータのふたつに分けて見ていく。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

人気別成績

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表1は人気別成績。まず言えるのが1番人気の強さで、全体で勝率37.9%、上級戦では勝率40.0%とさらに上昇する。また、4番人気や5番人気の成績も良好で、全体、上級戦ともに回収率が高い。そのぶん2、3番人気が割を食っている印象もあるが、阪神芝1600mの牝馬限定戦では基本的に上位人気が強い傾向が見られる。一方、6番人気以下は苦戦しており、特に10番人気以下はまず勝てない。好走率が低いのは仕方ないとしても、回収率も振るわず、穴はあまり期待できない条件となっているようだ。

前走着順別成績

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表2は前走着順別成績で、表1の項で見た上位人気が強い理由の一端が示されているように思われる。というのも、前走の着順がよかった馬が順当に好走するレースが非常に多いのだ。特に上級戦では全35戦中20戦で前走1着馬が勝利し、35戦中30戦で前走1〜3着馬が勝利と、その傾向が強くなっている。反面、前走10着以下の馬は63走して2着1回しかない。全体の傾向も同様で、大幅な巻き返しはかなり難しくなっている。

脚質別成績

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表3は脚質別成績で、脚質の分類はTARGET frontier JVによる。ここで注目したいのは好走率よりも好走数で、全体、上級戦ともに1着数と1〜3着数の最多は「中団」となっている。また、率は低いものの「後方」から好走を果たした馬も少なくない。対して、一般的なデータでは優秀な数値が記録されやすい「逃げ」や「先行」の成績はそれほどでもなく、特に上級戦の「逃げ」は、この脚質としてはかなりの苦戦といっていい。阪神芝1600mの牝馬限定戦では差し馬にも十分チャンスありとみたい。

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