激戦必死の大阪杯、制する馬の条件は? 注目すべきは1600〜2000mの重賞実績
GIで行われた過去2年のデータから分析
2018年 スワーヴリチャード
2018年大阪杯を勝ったスワーヴリチャード(左・桃帽) 【画像:スポーツナビ】
ただ、具体的にレースラップを見ると、前半は12秒台のラップが多いものの、最初の1ハロン以外は12秒5以下。13秒台以上の遅いラップは刻まれていない。良馬場・芝2000mのG1ともなれば、時計は速くなりがちで、極端なスローペースになることは少なそうだ。また後半の5ハロンはすべて11秒台のラップが刻まれている。内回りコース使用ということで全体的に仕掛けのタイミングも早くなるのだろう。最終的には決め手勝負になるものの、スローペースで脚をじっくり溜めるような競馬にはならない。
道中のペースがあまり緩まないので、そうした流れのレースで実績がある馬が上位にきている。2着ペルシアンナイトは前年のマイルCS優勝馬。3着アルアインは前年の皐月賞を1分57秒8という速い時計で制していた。
1着だったスワーヴリチャードも前走金鯱賞を制しており、芝2000mでひとつ実績を残して本番に挑んだ。また、大阪杯の後は安田記念で3着に入線した。芝2400〜2500mがベストという印象もあったが、古馬のマイルG1でも通用するスピードを持っていることを証明してみせた。
2017年 キタサンブラック
2017年大阪杯を勝ったキタサンブラック(左・青帽) 【画像:スポーツナビ】
キタサンブラックはそれ以前、その後の実績を考えると、単純に力が抜けていた存在だった。そのような馬であれば厳しいペースを先行してもねじ伏せることができそうだ。2着ステファノスは天皇賞(秋)を2年連続で好走し、鳴尾記念では2着の実績もあった。香港のクイーンエリザベス2世カップでも2着と、芝2000mではハイレベルな走りを見せていた。
3着のヤマカツエースは前走金鯱賞を制して同レース2勝目をマーク。さらに中山金杯や福島記念も優勝しており、とにかく芝2000mの重賞実績が際立っていた。東京で行われる天皇賞(秋)ではスピード・瞬発力不足を露呈してしまったが、コーナーが4回あるここではG1でも十分通用した。18年の大阪杯でも4着に入線しており、惜しい競馬を見せていた。
一方、2番人気で4着に敗れたマカヒキや、3番人気で6着に敗れたサトノクラウンは、芝2000mで時計が速いレースへの適性がどうだったか。18年の大阪杯で3番人気に支持されたサトノダイヤモンドも7着に終わっている。同馬はフランス遠征でかなりダメージを受けた印象はあるが、3歳秋以降に勝った重賞は菊花賞や有馬記念、阪神大賞典と長い距離ばかりだった。このように上位人気で敗れた馬は、芝1600〜2000mでのスピードという資質を欠いていたことが敗因かもしれない。