山本由伸が見せる一流アスリートの共通点 侍デビュー戦で“百戦錬磨”の投球を披露
高卒3年目、進化はこれからも続く
今年から先発に転向する山本。さらなるスケールアップに期待がかかる 【写真は共同】
日本でトミー・ジョン手術の権威として知られる慶友整形外科病院の古島弘三医師によると、肘の靭帯を痛めるのは小中学校時代に投げすぎなどで1度故障し、後に“再発”するケースが多いという。逆に、高校や大学になって新たに痛めるケースは珍しい。つまり健康な体で大人になるほど、投手は大きく飛躍できる可能性が高まるのだ。
最速154キロを誇る山本は、まだまだ成長過程にある。178センチ、80キロと現段階では投手としては痩せ気味。だが、これから時間をかけながら肉体的な力強さを身につけ、スタミナを増やしていけば、格段にスケールアップできるだろう。山本自身も、じっくり先を見据えている。
「まだ体が出来上がっているわけではないので、トレーニングやケアを丁寧に行って、基本からしっかりやっていこうと思っています。今は完成しているわけではないですし、まだまだ体も大きくなっていきます。何て言うんですか、大人の体に完成してくると思うので。その中で技術も練習してレベルアップしていければと思います」
今季から先発に再転向する予定で、週に1度の登板ペースはスケールアップも図りやすいだろう。自ら先発での起用を直訴する姿勢やビジョンも、高い期待を抱かせる。
果たして、誰もが認める潜在能力を誇る剛腕投手は、今後どこまで突き抜けていくのか。長い時間軸の中で追いかけたくなるような侍ジャパンのデビュー戦であり、まもなく迎えるペナントレースでの楽しみが1つ増えた試合だった。