吉田、上林は侍打線の中核に成長できるか 最後の“試す機会”で猛アピールに成功
状態が悪くても、良さを見せた上林
第1戦で3安打の活躍を見せた上林も、実力をアピールした 【写真は共同】
「よく(ボールが)『動く、動く』と言われるんですけど、確かに動きますが、バッティングはタイミングが一番大事。そこさえ合わせていければ、どの投手でも打っていけるのかなと思います」
2対4で迎えた初戦の9回、1死1、2塁から長打狙いで打席に入るも、強引に低めのボール球に手を出すなど本調子とは程遠い。しかし、そんな中でも切り込み隊長の役割を果たしたように、バットコントロールのうまさが光った。シーズンに入って状態が上がってくれば、十分にリードオフマンの役割を任せられるだけの力を持っている。
「今後も1番を打ちたいか」と聞かれた上林は、自主トレの頃とは違って控えめに答えた。
「レギュラー陣が入ってきた中でどうかなというところがありますし、あまりこだわりはないですね。(代表に)選ばれて、シーズンで結果が出て自信がもうちょっとついてきたら打ちたいなと思うかもしれませんが、今はまだかなわないですし、結果でも勝っていない。まずはそこで勝っていかないと、1番とかそういう先は見えてこないと思います」
「チームから信頼される選手に」
今後の飛躍を期待されて選ばれた27選手に対し、稲葉監督はシーズン開幕に向けてこうエールを送った。
「チームから信頼される選手になってもらいたいです。ミーティングでも言いましたが、もっともっと野球を勉強してもらって、自分たちがこのチームを引っ張っていくという強い気持ちでやっていってもらいたいです」
17年秋のアジアプロ野球チャンピオンシップに出場した山川穂高や外崎修汰(ともに埼玉西武)、上林、近藤健介(北海道日本ハム)らがそれぞれのチームで主力に駆け上がったように、今回メキシコ戦に選ばれた27選手から一人でも多くステップアップを果たす者が出た時、2019年開幕前に侍ジャパンですごした時間はより大きな価値を持つことになる。