少頭数も混戦か!? 弥生賞をデータで占う 日曜は雨予報…馬場渋化ならブレイキング

JRA-VANデータラボ
 今週は日曜日に中山競馬場で弥生賞が行われる。皐月賞へ向けての最重要ステップレースだ。例年、頭数は揃いにくい一戦で、過去10年ではフルゲートで行われたことは1度もない。今年も登録の段階で11頭しかおらず、フルゲート割れは確実だ。なおかつ、確固たる中心馬が不在のメンバー構成。すでにクラシックの有力候補となっているサートゥルナーリアやアドマイヤマーズ、ダノンキングリーといった素質馬に肩を並べるだけの勝ち方をできる馬が果たして出てくるだろうか。そうした点も大きな注目となるだろう。いつものように過去10年のデータを分析し、今年のレースを展望してみたい。データの集計・分析はJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

過去10年の弥生賞好走馬

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 まずは過去10年の弥生賞で3着以内に好走した馬を表1にまとめた。昨年は前走朝日杯フューチュリティSを圧勝したダノンプレミアムと、前走東スポ杯2歳Sを勝ったワグネリアンとの一騎打ちムード。競馬はなかなか前評判通りには決まらないが、結果はこの2頭によるワン・ツー決着。馬券の配当もかなり安かった。それだけこの両馬の実力が抜けていたということだろう。2016年も前評判が高かった馬が上位を独占した。後にダービー馬となったマカヒキには敗れたものの、2歳王者のリオンディーズは2着を確保。前年の朝日杯FSで好走した馬が出てくれば、かなり有力な存在と言えるだろう。

 また、東京スポーツ杯2歳Sの勝ち馬は前述のワグネリアンだけでなく、15年1着のサトノクラウンも該当。ここでも1着という結果を出した。このように前走芝1600m以上の重賞で好走している馬が強い。近年ではジャンダルム(前走ホープフルS2着)やカデナ(前走京都2歳S1着)も該当。かつては阪神芝2000mで行われていたラジオNIKKEI杯2歳Sが重要なステップレースだった。同レースでの好走馬が、ここでも数多く馬券に絡んでいる。

 実績上位の人気馬同士で決まることがある一方、伏兵馬の出番も十分にある。むしろ人気サイドで決まるケースの方が少なく、穴馬の台頭は常に考えるべきだろう。単勝7番人気以下で好走した馬は、17年2着のマイスタイルをはじめ7頭もいる。タガノエスプレッソ、ミヤジタイガ、コスモオオゾラ、プレイ、ダイワファルコン、モエレエキスパートという面々だ。

 それぞれ個性は様々だと思うが、逃げ〜先行から粘り込むタイプが多いイメージだ。瞬発力で勝負するよりも、しぶとい末脚で食い下がる。東京のような広いコースではなく、小回りの中山向きという特徴がある。例えば、マイスタイルは前走こぶし賞を3番手から抜け出して優勝。弥生賞では逃げて2着に残った。レース当日の馬場状態を調べると、稍重が3回、重馬場が1回あった。やや馬場が渋ったことで、こうした馬たちが力を出してきたとも考えられる。天気予報によると、今週の日曜日は雨が降る可能性があるようだ。道悪も想定した予想も準備しておきたいところだ。

 最後に種牡馬(父)傾向をチェックしておく。目下、ディープインパクト産駒が3連勝中。近3年は良馬場であったことも大きく、同産駒の最大の持ち味である瞬発力が生きたと考えられる。13年はカミノタサハラが6番人気で優勝。同馬は前走500万クラスの平場戦を勝ったばかりであり、連勝で重賞を制覇した点に血統的な適性の高さがうかがえる。ただ2走前にはホープフルSで3着に入っていた。たとえディープインパクト産駒であっても、しっかりとオープンクラスで実績があった馬が好走している。

 あとはネオユニヴァース産駒にも注目だろう。10年1着のヴィクトワールピサ、09年1着のロジユニヴァースら4頭が好走している。こちらも実績上位のタイプだが、稍重〜重馬場で3頭好走している。しぶった馬場に強い同産駒の特徴がよく出ている結果であるという印象を受ける。

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