連載:どうなる、2019年の大谷翔平

大谷、本格的な打撃練習はいつから? 術後4カ月半で制限なしのケースも

丹羽政善
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 メジャー2年目のシーズンを迎えるエンゼルス・大谷翔平。昨秋に右ひじの靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)を受けた影響で、今季は代名詞の二刀流を封印。年間通して打者一本でのプレーを予定している。

 気になる戦列復帰の時期はいつなのか、そして二刀流復活の目処は――。トミー・ジョン手術に詳しい医師の見解を加えつつ、3回に分けて大谷の現状とこれからをリポートする。

 第1回は本格的な打撃練習の開始時期について。

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5月復帰の見通しも、本人は「もっと早く」

キャンプ初日、報道陣の取材に答える大谷。本格的な打撃練習の再開はいつになるのか 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】

 クラブハウス中央のテーブルの上に並べられた黒いヘルメット。頭に当たっても105マイル(約169キロ)までは衝撃に耐えられるという、2020年から導入予定のサンプルがずらりと並び、選手一人ひとりがサイズを合わせていた。

 トレーニングを終えてクラブハウスに戻ってきた大谷もいくつか試すと、「あっ、これがいい」と早速、フィットするタイプを見つけ、そのヘルメットを被ったまま、両手でバットを構える仕草を見せた。

 次の瞬間、何気なく腕を振ったが、それは昨年のシーズン最終戦以来、久々に見せた打撃の動きでもあった。

 現地時間2月14日――昨年のこの日は、キャンプインに合わせて隣接するリゾートホテルで記者会見が行われ、全米から多くのメディアが駆けつけたが、1年後のキャンプ地はひっそりしていた。

 前日にキャンプインした大谷は会見で素振りを始めたことを明かしたが、外での動きは限られ、基本的には室内トレーニング場とクラブハウスを往復する毎日。今週中にティー打撃が出来るかどうか、というところだ。

 慎重なリハビリが続く中、ブラッド・オースマス新監督は12日に、大谷のメジャーの復帰時期に関して、「5月のどこかで」と大まかな見通しを示したが、一方で大谷本人は13日に「僕はもっと早くいくつもりで」と、早期復帰への思いをにじませている。

「選手が早く復帰したいのは当然のこと。メディカルスタッフがなるべく長く(リハビリを)、というのも普通のこと。そのバランスがいい具合になっていれば、もちろんリスクなく早くいけるんじゃないかな」

 17日にも会見を行った大谷は、「もどかしさもある」と認めた。では、復帰まで今後、どんなプロセスを踏むのか。
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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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