無敗2歳王者始動! 共同通信杯データ分析 アドマイヤマーズは買い?消し?
前走新馬戦1着の好走馬
表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
表5は、前走新馬戦1着から好走した馬について共通項をまとめたもの。該当するのは、15年1着のリアルスティールと18年2着のサトノソルタスの2頭で、芝1800mの新馬戦を制した直後ながら3番人気と高い評価を受けていたことで共通する。そして、父はいずれもディープインパクト。このあたりに注目してみたい。
前走500万下1着の好走馬
表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走G2・G3で1着だった出走馬
表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
一方、東スポ杯以外の重賞で1着だった3頭の前走に注目すると、11年9着のダノンバラードがラジオNIKKEI杯2歳S、16年9着のハートレーがホープフルS、18年7着のグレイルが京都2歳Sと、いずれもコーナー4つの芝2000m重賞。距離の違いに加え、東京芝1800mとはコースレイアウトも大きく異なり、適性の違いが結果に反映されたとも考えられそうだ。
結論
最初に取り上げるべきは2歳王者のアドマイヤマーズだが、前走G1で1着だった馬の出走は過去10年に1頭もいない。さらに遡ると06年に前走朝日杯FS1着のフサイチリシャールが2着に入った例があり、同馬は新馬戦4着のあと前走まで4連勝。アドマイヤマーズは無傷の4連勝なので、戦績としては上をいっている。ただし、フサイチリシャールが1800mでも2勝を挙げていたのに対して、アドマイヤマーズは4戦すべて1600m。有力な1頭には違いないが、距離に関してはあくまで未知数となる。
実績で続くのは前走の京都2歳S1着のクラージュゲリエだが、共同通信杯には直結していない前走2000m重賞1着に該当する。今年は少頭数戦のため簡単に軽視もできないが、適性面で他馬に上回られる可能性があることは指摘しておきたい。
前走500万下1着に該当するのは2戦2勝のダノンキングリー。新馬戦で上がり1位を記録できなかったのはこの組としては不満だが、前走は圧巻だった。3戦目でさらに上昇してくれば面白い存在になるか。前走新馬戦1着では、ディープインパクト産駒のゲバラに注目してみたい。
文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。