東京芝1600mと1800mの違いと共通点 馬券を買う上で押さえたいポイント

JRA-VANデータラボ

騎手別成績

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4は、芝1600mと芝1800mで勝率の差がある騎手を示したもの。今回は、過去3年に両コースでいずれも20走以上し、勝率差が3%以上ある騎手を掲載した。

「芝1600mのほうが高勝率の騎手」では、武豊騎手クリストフ・ルメール騎手が差の大きい上位ふたりを占めた。これほどの名手でさえ、どんなコースでも同じように勝つのは難しいということなのだろう。両騎手とも芝1800mでは単勝回収率60%台にとどまっており、芝1600mのほうが明らかに狙いやすい。

「芝1800mのほうが高勝率の騎手」でも事情は似たようなもので、差が大きい3騎手の横山典弘騎手戸崎圭太騎手岩田康誠騎手はいずれも全国リーディングの獲得歴を持っている。ただし戸崎騎手の場合、芝1600mでも単勝回収率93%と、勝率は下がるものの馬券で狙えないわけではないことは付記しておきたい。一方、横山典騎手は芝1600mで単勝回収率48%、岩田騎手に至っては43走して1勝もできなかったため、素直に芝1800mで狙ったほうがよさそうだ。

種牡馬別成績

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5は、芝1600mと芝1800mで勝率の差がある種牡馬を示したもの。こちらも過去3年に両コースでいずれも産駒が20走以上し、勝率差が3%以上ある種牡馬を掲載している。

「芝1600mのほうが高勝率の種牡馬」を見ていくが、ここにディープインパクトが入ったのは意外だった。東京芝1800mはいかにも得意そうなイメージだが、実際には勝率10.5%、単勝回収率52%とそれほどでもない。芝1600mのほうが好走率、回収率とも明らかに良好だ。

「芝1800mのほうが高勝率の種牡馬」は、勝率の差がかなりある種牡馬も多いので気をつけたいところ。もっとも差が大きいヴィクトワールピサは14.0%も違い、回収率も非常に高いので、芝1800mで狙ったほうがはっきり得だ。そのほか、エイシンフラッシュルーラーシップにも注目したい。

文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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