東京新聞杯は1番人気が大不振! 好走タイプを過去10年データで算出

JRA-VANデータラボ

東京新聞杯出走馬の前走着差別成績(過去10年)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 前走着順だけでなく、前走着差についても調べておくことにした(表4参照)。注目すべき点は前走勝っている馬よりも、前走で負けている馬になる。前走0.3秒から0.5秒差で負けている馬は出走が最も多く、【5.3.3.26】という成績。勝率13.5%、連対率21.6%、複勝率29.7%はなかなかの成績だ。タイム差なしで負けていた馬に近い好走率を誇っている。0.6秒以上離されて負けていた馬が勝ったケースはなく、好走率も大きく下がることがわかる。着順の傾向とリンクするのは自然で、着差が大きく開いていた馬もよくない。

東京新聞杯出走馬の前走クラス別成績(過去10年)

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に前走クラス別成績をチェックしておくことにする(表5参照)。どのクラスからも勝ち馬が出ているが、前走G1組の成績がいい。4頭の勝ち馬が出ており、その内3頭が前走エリザベス女王杯を使っていた牝馬。昨年優勝のリスグラシューらがいる。前走G2やG3組はあまり成績が良くない。前走オープン特別組の方が、連対率や複勝率で勝る。具体的にはニューイヤーSやキャピタルS組が好ステップだ。

 前走1600万クラス組からも勝ち馬が2頭出ている。出走頭数は9頭と少ないが、勝率と連対率はG1組を上回る。15年にはヴァンセンヌがここで重賞初制覇を飾り、同年の安田記念では2着に好走した。将来有望な上がり馬がいれば積極的に狙ってみるのもいいだろう。

結論

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 それでは今年の東京新聞杯を占っていくことにする。出走予定馬は表6の通りだ。

 フルゲートには満たない16頭の登録だったが、興味深いメンバーが揃った。藤沢和雄厩舎所属の3頭、タワーオブロンドンとレイエンダ、サトノアレスは実績馬で注目。上がり馬のインディチャンプに、前年の富士Sを勝っているロジクライあたりも人気を集めそうだ。ただ、具体的にどの馬が1番人気になるかはわからない。

 データ的には1番人気が大不振であり、今年はどの馬になるかは気になるところだ。ただ、1番人気馬が明確に不利だという根拠はなく、無条件に軽視するわけにもいかない。

 ひとまず前走レース・前走着順・前走着差から有力候補の馬を考えてみたい。前走G1組はジャンダルムとロジクライだが、ともに二けた着順に終わっている。着差を見れば巻き返しがあっても全くおかしくないのだが、データ的には推しにくい。

 前走G2組やG3組は頭数が多い。京都金杯で9着に入り、着差も0.5秒差以内のゴールドサーベラスは要注意だろうか。ターコイズS6着(0.3秒差)のレッドオルガもマークしたい。前走オープン特別組ではキャピタルS2着のタワーオブロンドンが有力になるだろう。

 前走1600万クラス組ではインディチャンプが注目株。3歳時に毎日杯でブラストワンピースとギベオンに続く3着と好走。本馬も重賞を勝てる潜在能力がありそうだ。目下、有松特別→元町Sと連勝中。勢い十分の上がり馬で、どんなレースをするか非常に楽しみだ。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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