「明らかに不安」有力2頭は明暗クッキリ 波乱もあるか、日経新春杯の記者座談会

競馬専門紙「優馬」

データが示す注目馬は 準オープン勝ち上がり組?

昨年の勝ち馬と全く同じローテーションで臨むルックトゥワイス(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「近年のこのレースで顕著な傾向は、前走で条件戦を勝った馬の好走が目立つ点で、準オープン勝ちだけでなく1000万勝ちも含めると、ここ6年で5連対という凄い数字なんだよな」

瀬古「昨年勝ったパフォーマプロミスもそうでしたが、同じ藤原英厩舎で、グレイトフルSを勝ってという全く同じ臨戦で、しかも父も同じステイゴールドのルックトゥワイスは注目に値しますよ。2走前のアルゼンチン共和国杯こそ出遅れてリズムに乗れず終いでしたが、これまで対戦してきた馬とのハンデ差を考えれば十分に通用していいはずです。大事に育てられてきたこの馬の素質が、ここで開花すると見ました」

吉田ルックトゥワイスは、ゲートに不安があることや脚質的にも◎は打ちにくいと思うんですが、これだけ先に行きたい馬が揃えば、展開がハマるんやないかと思います」

「陣営は“2500mを走っての中2週なので、それを考慮して調整してきたが、最終追いも予定通りで、いい動きだった”とのことでした。デビューからずっと左回りを使われてきた馬で、前走が初の右回り、当然ながら京都も初めてとなりますが“前走で右回りにはメドが立ったし、京都も走ってみないとわからないが、3角からの下りを逆に利用できないかな。この馬の終いの脚を生かし切れるようなら”と。さっきも話に上がりましたが、昨年も同じローテーションで制した厩舎ですから、連覇への手応えも十分あると思いますよ」

持木「僕は同じ準オープン勝ち上がり組からシュペルミエールを狙ってみます。実に1年7ヶ月ぶりだった2走前では、次走でステイヤーズS2着のアドマイヤエイカンにハナ差の2着なら、重賞級の力を示したと言えますね。6歳とはいえ長期の休養があって馬はまだ若いですし、これもステイゴールド産駒で、まだ成長も見込めるはずですよ」

西田「準オープンは一度勝っている馬ですから、前走なども順当勝ちと言っていいですが、長期の休養明けから2着1着と着実に結果を出せたことは大きいですし、この中間も脚元に不安はなく、馬もフレッシュな状態です。菊花賞6着以外は全て3着以内に駆けている馬でもあり、無事ならすでに重賞に手が届いていたはず。55キロのハンデならアッサリがあっても不思議はないですよ」

田崎「僕はこれまたステイゴールド産駒のアフリカンゴールドを狙います。菊花賞では二桁着順に沈んだとはいえ、見せ場は作っていましたからね。2戦2勝の2400mで、恵まれた52キロのハンデなら、重賞でも通用していいはずです」

那谷「西園師も“軽ハンデを利せば重賞でも楽しみ”と色気タップリだったけど、おそらく人気を集める材料になると言える、2着に4馬身差の圧勝だった2走前は、神戸新聞杯の勝ち時計より1秒2も遅いんだよな。格下の軽ハンデ馬がよく穴をあける性格のレースだし、人気がないのなら積極的に買う手もあるけど、少し過剰に人気になるのならあくまで押さえの評価でいいかと思うぞ」

デスク「ここまで名前の挙がった馬は、4歳馬と、つい最近まで条件馬だった馬ばかりだけど、重賞の常連組をそこまで軽視していいのかな?」

那谷ウインテンダネスは、2走前のアルゼンチン共和国杯でムイトオブリガードに先着を許したけど、キレ味で見劣っただけで、パワーを要する今の京都の馬場なら逆転も十分可能だと思うな。ジャパンCでもアーモンドアイから大きく離された8着とはいえ、2分22秒3という走破時計自体は極めて優秀だよ。“筋肉の張りが凄い”と、杉山師は目下のデキの良さに太鼓判を押していたし、父カンパニーがキャリア晩年にGIを連勝したことを考えても、まだ成長を見込んでいいはず。この馬を熟知している内田博騎手が続けて乗るのもプラスで、逃げる馬がいれば番手、行く馬がいなければ逃げの手を打てる自在性も強味だと思うんだ」

加茂「同じステップのノーブルマーズも、ジャパンCはあの速いペースを2番手で追いかけたんやったら失速も仕方ないやろな。目黒記念で2着、宝塚記念でも3着した頃のデキまでにはないとはいえ、休み明けを2戦使われて動きや状態は確実にアップしているだけに、軽くは扱えまへんで」

瀬古「これまた全く同じステップで臨むガンコも、力の要る芝で結果を残してきた馬なので、驚異的レコード決着のジャパンCで手も足も出なかったのは仕方なく、スタートが一息で直線でも仕掛けが遅れたアルゼンチン共和国杯も着順ほど悪い内容ではなかったと思います。例年、トップハンデ馬は苦戦を強いられることが多く、3着に好走した昨年から5キロ増は楽ではないですが、背負い慣れた57キロの斤量自体は克服できていますし、上がりを要する今の馬場状態はピッタリの馬ですからね。マークは必要ですよ」

デスク「昨年の3着馬の名前がようやく出てきたが、2着馬が出てきてないんだが」

福田ロードヴァンドールの前走は、スタート後に挟まれたこともあったけど、久々で体調そのものも本当ではなかったんや。昆師いわく“放牧に出すと立ち直るまで時間がかかるタイプ”やさかい、中間に在厩している今回はしっかりと調整ができている様子。“ハナを主張する馬がいれば2番手でも構わない”というレースプランの語り口も前走時と力の入れようが違うし、同じ56キロのハンデなら昨年の再現もあってエエやろ」

デスク「俺もいろいろと考えたんだが、やっぱり4歳馬グローリーヴェイズで仕方ない気がするな。ただ、相手も4歳馬というのではなくって、ルックトゥワイスムイトオブリガードシュペルミエールの3頭に絞って買ってみるぞ」

木谷「先週のシンザン記念、僕とデスクが揃って◎にしたミッキーブリランテは呪縛にかかったように伸びを欠いて3着…。やっぱり重過ぎましたね…。というわけで今回はデスクと田崎TMが揃って“無印”のメイショウテッコンを◎にします!」
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競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会は、スポーツナビコラムでの更新を停止します。1月19日以降の更新は優馬公式サイトにてご確認ください。

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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