データで占う年内最後のGIホープフルS 「第2のレイデオロ」は現れるか
翌年の牡馬クラシック戦線に向けて
2014年以降のホープフルS好走馬(1)
表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
なお、表1の該当馬12頭中、その後重賞を勝利した馬は4頭いる。ステイフーリッシュは京都新聞杯、レイデオロは日本ダービーや天皇賞(秋)、ロードクエストは京成杯オータムハンデやスワンS、シャイニングレイはCBC賞を勝った。将来、芝中距離で活躍する馬が出るのは自然だと思うが、短距離で実績を残す馬が出ている点は興味深い。このレースの時点では本当の距離適性を判断するのは難しい。素質だけで2000mの距離をこなしている場合もあるということだろう。
騎手成績を見ると外国人ジョッキーの活躍が目立つ。15年はH・ボウマン、16年はC・ルメール、17年はC・デムーロと目下3連勝中。好走馬12頭中、ちょうど半分となる6頭の鞍上が外国人騎手だ。今年秋のG1戦線では外国人騎手の勝利が続いており、ホープフルSでの連勝もまだ続く予感がする。
所属は美浦の馬と栗東の馬がそれぞれ6頭。関東と関西の比較では全くの五分となっており、あまり気にする必要はなさそうだ。馬主はサンデーレーシングとキャロットファームの馬がそれぞれ3頭。いずれかのクラブの馬が毎年馬券に絡んでいる。
2014年以降のホープフルS好走馬(2)
表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
2014年以降のホープフルS好走馬(3)
表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
その他の系統ではミスタープロスペクター系に注目。基本的にはキングカメハメハが有力だが、Jade Robberyやアフリートといったダートで強いタイプの名前がある。マイネルスフェーンとコメートが母父に持っており、ともに8番人気で好走した。ダートで強いという意味ではロベルト系も面白い。タイムフライヤーの母父はブライアンズタイムで、レイデオロの母父はシンボリクリスエス。同系統の血を持つ馬がいた場合も要チェックだ。
結論
表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
ジョッキーや人気など、本稿執筆時点では不透明な要素はあまり考えずに、馬主やキャリア、前走レースなどを記載した。今年は個人馬主の馬がかなり多い印象を受ける。注目していたサンデーレーシングかキャロットファームの馬は、サートゥルナーリアしかいない。同馬はキャリア2戦で、前走は萩S1着。血統的にもミスタープロスペクター系×サンデーサイレンス系という配合で不満はなく、好感触の要素が満載だ。まずは、本馬に注目したい。
キャリアが1戦の馬はキングリスティアとタニノドラマ。ともに前走は芝2000mの新馬戦を勝っている。データ的には注目馬と言える。実績面では前走東スポ杯1着のニシノデイジー、京都2歳S2着のブレイキングドーンが上位だ。
文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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