香川らの力を借りたい気持ちもあったが…森保監督「新しい代表を築く気持ちで」

スポーツナビ

厳しい戦いであると覚悟して臨みたい

森保監督(右)は「(浅野の)スピードは今の日本代表に必要」と招集の理由を説明した 【スポーツナビ】

――メンバー選考の意図は?

森保 日本代表監督として、これまで9月、10月、11月と試合をしてきました。その中で見てきた選手、そして現時点でベストな選手でアジアカップに臨むメンバーを選考しました。

――けが人が多いと思う。メンバー選考で迷ったところ、苦労したところは? また香川真司選手も候補に挙がっていたと思うが。

森保 メンバー選考は非常に悩みました。苦労してメンバーを決めました。その理由はご想像の通り、けが人が多かったり、候補に挙がってきてもトップコンディションかどうかだったり、そいうところも含めて選考しました。香川選手の名前が挙がりましたが、ロシアW杯、これまでの日本代表を引っ張ってきた経験豊富な選手たちに力を借りたい気持ちも持ってます。しかし、今回選んだ選手たちは、経験が浅い選手が多い中、今度は自分たちで新しい日本代表を築いていくんだという強い気持ちを持って戦ってほしい、という思いで選考しました。

――浅野選手を呼んだ理由は? 大迫選手の控えか、2トップか、サイドなのか、起用法はどう考えているか?(元川悦子/フリーランス)

森保 けがでプレーできない状況もあり、9月の試合から招集してこなかった。ここ最近のパフォーマンスを見た上で、練習には復帰してトレーニングを積んでこれたこと、試合のメンバーにも入っていました。私がヨーロッパに視察したときにも試合には出ていなかったが、メンバーには入っていてコンディションも良さそうだと確認できました。直近の試合ではスタメンで出場しており、相手のディフェンスを突破するスピードは今の日本代表に必要だなと思って招集しました。

――アジアカップの戦略を教えてほしい。1位抜けか、2位抜けか。スケジュールや移動を確認しながらやる大会なのか、すべての試合で勝ちたいのか?(森雅史/フリーランス)

森保 スケジュールを見ると7試合戦っていこうというときに、グループリーグを1位抜けかするか、2位抜けするか、で変わってくる。条件を見ると、2位抜けの方が移動は楽で、コンディション的にもいいのではないかということは、私もスケジュールを見て確認しています。しかしながら、1試合1試合、勝ちにこだわっているのでまず1位抜けすること。条件がどうであれ、勝利を目指して戦っていく気持ちでいます。ただし結果はそのときになってみないと分からない。その時点でまた考えたいと思います。タイトルを取ること、チームが成長することを考えていく中で、1試合1試合、勝ちにこだわっていきます。

――若いチームにとって、アジアのタイトルが取れたとするならば、それがチームにどんな影響をもたらすのか。アジアの中での戦いは、これまでの年内の戦いとは変わってくると思うが、どう考えているか?

森保 質問の中に何点かポイントがあったと思う。まずは経験の浅い選手たちがアジアカップを戦うこと。そして目標としているタイトルを取ることは、今後の日本代表にとって、選手にとって自信となる。また次に向けてレベルアップできると思う。今回選んだ選手だけが日本代表とは思っていない。いい試合をすることで、今回招集できなかった選手にも刺激になって、日本サッカー全体のレベルアップになるのではないかと思っています。

 アジアではないが、11月に戦ったベネズエラは9月、10月の日本の戦いを見てかなり研究してきているなと感じました。アジアカップでの戦いでは、個人の部分は分析されて研究されてくるだろうなと思っています。これまで以上のことをやる意気込みで準備していかなければ、本当に難しい戦いになると思っている。もともと難しい戦い、厳しい戦いであると思っているので、覚悟して臨みたい。アジアの戦いでは、そこを乗り越えていかなければいけないが、われわれが力をつけて強ければ、アジアであっても、世界であっても、対等に戦えて結果も勝利に結び付けられると思っている。11月にキルギスと戦ったときに、相手が引いてきたときにもそこを崩すことを選手はトライしてくれた。相手に合わせるだけではなく、試合を通して自分たちが成長するためにインテンシティ高く戦ってくれたことはアジアカップにつながると思います。

――斉藤俊秀コーチが11月に引き続き名を連ねている。その位置付け、期待することは?

関塚 来年度の活動に向けて、(森保監督)がA代表とU−22代表を兼任ということもあり、斉藤コーチを事前のキャンプから加えることにしました。その後の振り分けは
「チーム森保」、監督に任せている。そこは森保監督が狙いとするところでのコーチングスタッフの編成になると思います。

森保 わたしがA代表、東京五輪チームを見ていく中で、スタッフを預からせていただいて、その中でA代表、五輪チームのスタッフを動かしていくということは、自分の中で確認を取りながらやってきています。これからも基本的にということはありますが、活動の状況を見て、A代表と五輪チームを動きながらやっていければと思います。大切なのは両方の活動の中で、まずはチームがうまく動くこと、選手が思い切りプレーできること。チームファースト、プレーヤーズファーストでスタッフも編成していきたいと思っています。

――成長しながら結果をつかみたいということで、このチームが一番成長しなければいけないところは?

森保 結果にこだわることは選手に言っています。選手もこだわりを持って1試合1試合戦っていると思います。今回の試合もどこが成長ではないが、勝つためにわれわれが試合の中で、練習の中で、そしてオフザピッチの時間の中で、結果を出すためにどうやって過ごせばいいか、どういう最高の準備をしていけばいいか、を考えながらやっていければと思っています。勝つためには柔軟な対応力も求められる。流れをピッチ内の選手がつかみながら対応していく、修正していく。臨機応変にやっていけるように、最高の準備をしていくことをトレーニングの中でやっていきたいと思います。すべての部分で、チーム力としては上げていかないといけない。強くなればなるほど結果はついてくると思っています。

――前回はトレーニングパートナーがいたと思うが、今回は選ばれていない。この後、招集する予定はあるのか?

森保 トレーニングパートナーについては関塚委員長には話しています。アジアカップに向かうまでの国内キャンプで選手のコンディションが想定と違うことも考えられるので、そういうときによりトレーニングの効果を発揮するために、トレーニングパートナーには日本代表以外の選手をお願いします、と伝えています。それがどの選手かは決まっていません。国内キャンプにはおそらく数名の選手に来てもらうようになります。

※質問者に関しては、掲載許諾の確認が取れた方のみ明記しています。記名のない方は確認が取れていない方ですので、拒否されている訳ではありません。

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