武井壮が驚いた!ハンドサイクルの爽快感 パラトライアスロンに「最大級の尊敬」

スポーツナビ

地面スレスレから時速80キロまで加速するスピード感がハンドサイクルの魅力だ 【スポーツナビ】

 パラトライアスロンは1人で3つの種目(スイム、バイク、ラン)を連続して行い、その合計タイムを競う競技。鉄人のような体力が必要なのはもちろん、パラトライアスロンの場合はそれぞれの種目で使う競技機材の選択も勝敗に大きく関わってくる。足に障がいのある選手が使うハンドサイクルは、地上スレスレの高さから、最速では時速80キロと、健常者がロードバイクに乗った場合とほぼ同じスピードで走る。そのため、他の競技ではなかなか味わえない感覚を楽しむことができるのだ。

 スポーツナビは、十種競技の元日本チャンピオンでタレントの武井壮さんがパラトライアスロンのバイクに挑戦するNHKの取材現場に同行。競技を体験した武井さんに、その魅力や奥深さを聞いた。

「進ませるだけでも楽しい!」

 パラトライアスロン特有のハンドサイクルという乗り物に初めて乗ったんですが、本当に車高も座面も自分のヘッドポジションも低くて、レーシングカーやF1のフォーミュラカーに乗っているような感覚でした! 進ませるだけでも楽しいし、コーナリングやギアの調整などを教えてもらって、初めて車に乗った時のように「操作が楽しい!」と感じました。バイクを初めて運転した時や、自転車に初めて乗れた日と同じく、本当に自分にとって新しい楽しみを発見できた乗り物だったので、これを操作しながら競技するというのも健常者のスポーツにはない楽しみがありますよ。健常者でも楽しく不自由なく扱えるギアなので、健常者のためのレースがあってもいいなと思ったし、サーキットとかでレースをしたらすごく面白いんじゃないかと思います。

 上半身を使ってこぐ自転車なので足が疲れないし、足でこぐ自転車と大差ないスピードが出る。むしろ木村(潤平)選手のハンドサイクルは僕が足でこぐ自転車よりも、もうちょっと距離があれば速いんだろうなと思わせる機能性を備えていて驚きました。一般の人が手軽に買えるようなお値段だったり、手軽に買えるお店があれば、ブームになるかもしれませんね! ちょっと上を向けば空が見えるし、普通の自転車と違って前かがみにならないので周りの景色も見やすい。腰とかにも負担が少ないので、すごくオススメです!

上半身の力だけで長い距離を完走する精神力

木村潤平選手(写真左)の走りを見て、武井さんは「最大級のリスペクトを送りたい」と感銘を受けていた 【スポーツナビ】

 最後は僕がロードバイクに乗って、木村選手のハンドサイクルと勝負しました。出だしのスピードは足でこぐ僕の方がパワーがあるんですけど、ハイスピードになって重いギアを扱えるようになった後だと、速度を維持する能力は木村選手の方が上だった。今回は僅差で勝ちましたが、あのまま1キロくらい走っていたら多分ぶっちぎられてただろうなと思いますし、本当に「200メートルとか400メートルまでついていくのが精一杯」くらいの能力の違いがありましたね。腕だけとはいえ、非常に高いフィジカルの能力を鍛え上げているなと感じました。「足でも勝てねえのか」と、ちょっとショックでしたけどね(笑)。

 腕で水をかいて泳いで進んで、さらに腕でハンドサイクルをこいで前に進んで、その上、腕で車いすレーサーをこいでゴールを目指すというトライアスロン。下半身の不自由な木村選手には、上半身と腕の力だけで長い距離を完走するという強い精神力と、どんな体の状況でも、自分を鍛えて、成長して、仲間と競い合って絆を作っていけるんだということを学ばせてもらえた一日でした。木村選手に最大級のリスペクトと、感謝を込めたいと思います。

 本当にありがとうございました!!

武井壮プロフィール
陸上・十種競技の元日本チャンピオン。スポーツ番組やバラエティなど、テレビやラジオを中心に活躍しつつ、世界マスターズ陸上の4×100mリレー(M40クラス、M45クラス)の金メダリストであり、日本記録保持者。今でもさまざまなスポーツにチャレンジし続けている。現在はプロテストを目指してビリヤードにも挑戦中。

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◆◆◆ NHK番組情報 ◆◆◆

「百獣の王」武井壮さんがパラスポーツを体験、トップアスリートとの真剣勝負に挑みます。12月28日(金)は「総集編」。これまでの武井さんの戦いを、まとめてお送りします。どうぞお楽しみに!
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